ワーカホリックとは?症状やなりやすい人の特徴、対処法を紹介
仕事に集中して取り組み、積極的に残業や土日出勤をしている社員は一見、会社からするとありがたい存在に見えるかもしれませんが、中長期的にはなかなか持続できません。
場合によっては、心身の健康に不調をきたし、休職や離職に繋がってしまう可能性もあります。
今回は、ワーカホリック(仕事中毒)のデメリットやなりやすい人の特徴、対処法などについて紹介します。
ワーカホリックとは?
ワーカホリックとは、仕事(Work)とアルコール中毒(Alcoholic)を掛け合わせた造語で、自身の健康や趣味、プライベートの時間よりも仕事に熱中しすぎてしまう状態のことを言います。
1970年代にアメリカの作家ウェイン・オーツが発行した「ワーカホリック 働き中毒患者の告白」という本で使用されたのが始まりとされています。
ワーカホリックは、会社に貢献する重要な人材に見えますが、仕事に没頭しすぎるが故に、心身の健康の不調を招いたり、バーンアウトしてしまう可能性もあり、会社としてはその予防や対策を講じることが重要です。
ワーカホリック状態のデメリット
ワーカホリック状態になることによって、下記のようなデメリットがあります。
周囲とのコミュニケーションが希薄になる
目の前の業務ばかりに熱中することによって、家族や友人とのコミュニケーションが減ってしまう他、オフィス内でもパソコンや作業ばかりに集中し、周囲の仲間と雑談などのコミュニケーションも減ってしまいます。
結果、チームとの連携が取れず、仕事でのミスも増えることもあります。
心身の健康の不調が増える
ワーカホリックで働く時間が増えることによって、熱が出る・眠れないといった健康上の問題の他、極端に挑戦や発言をしなくなる、体が思うように動かないといったメンタル面での不調も発生してしまう可能性があります。
リフレッシュして気持ちを切り替えられない
仕事と仕事の合間や土日の休みなど、リフレッシュしてまた次の仕事への気持ちの準備をする時間でさえも常に仕事の事ばかり考えてしまい、上手くリフレッシュできないといったことも考えられます。
ワーカホリックになりやすい人の特徴
ワーカホリックになりやすい人には、下記のような特徴があります。
残業が当たり前で仕事ばかりしている
仕事を定時で終わらせずに、慢性的に残業することが当たり前になっている場合は、ワーカホリックの予兆です。
繁忙期であることや一時的に業務が立て込んでいる場合で残業が続いているのではなく、毎日残業することがずっと続いている場合は、仕事中毒の可能性があります。
休日も仕事のことばかり考えてしまう
オフィスを離れても常に仕事のことばかりが頭にある状態も仕事中毒の状態です。
休日は休息すべき時間ですが、休むことを無駄に感じて作業をしてしまったり、資料作りをしてしまう状態は仕事中毒の可能性があります。
責任感が非常に強い
責任感が強すぎて、なんでもかんでも全て自分でやってしまうような真面目なタイプも危険です。
上手く他人に仕事を依頼したり、行き詰ったら誰かに相談すれば仕事も進みやすくなるので、1から10まで全て自分でやりとげなくてはいけないという思想は要注意です。
仕事において完璧主義者である
仕事においてミスが無いように、より高い質の物を作り上げるという意識は非常に重要です。
ただ行き過ぎてしまうと、自分を追い込んでしまったり、永遠と1つのタスクを消化できないといったことになってしまいます。
心配性・不安症である
完璧主義者と同様に心配性の人も、仕事の細部にまで拘り過ぎてしまうことがあります。
誰かに相談せずに1人で仕事を進めてしまうと終わりがありませんので、適宜誰かに相談することも重要です。
純粋に仕事が好きである
最初は仕事が好きだからと仕事ばかりしていても、リフレッシュして体を休ませなければ、働き過ぎの状態になり、心身に不調をもたらします。
仕事が好きで働きたい気持ちがあっても、働くときは集中して働く、休む時はしっかり休んで、中長期的にパフォーマンスを発揮する心構えでいることが求められます。
依頼されたことを断りにくい
他人から依頼された事を自分の状況を鑑みずに何でも受けてしまうことも危険です。
仕事の優先順位を付けて、余裕がありそうであれば依頼を受ける。
仕事が立て込んでいる場合は、期限を先に伸ばしてもらった上で仕事を受ける、もしくは断らなければ、ずっと仕事が貯まっていく一方になります。
人に喜ばれることが嬉しい
仕事を通して人に喜ばれたいという思いは仕事を行う上で重要ですが、何でもかんでもやりすぎてしまうと自分の体が持たなくなってしまうため、一定の節度を持つことが必要です。
自分が満たされていなければ他人に喜んでもらうことは難しくなりますので、人を喜ばせると同様に自分のことも大事にしましょう。
仕事以外の趣味が特に無い
仕事以外の趣味ややることが特に無く、とりあえず仕事に打ち込んでいる人も仕事中毒になる可能性があります。
目的を持って仕事を行っている訳ではなく、なんとなく仕事をこなしている場合は、生産性が低くなりがちで、働いている時間の割には、パフォーマンスが高くないといったことも少なくありません。
仕事関係以外の交友関係が無い
仕事関係以外の交友関係が特に無く、とりあえず仕事に時間を使っている人もワーカホリックになりやすい特徴の1つです。
休日も仕事関係の人とばかり会っていると完全に仕事のことを忘れることはできず、仕事中毒状態になりやすくなってしまいます。
ワーカホリックへの対処法
個人・企業が取り組むべきワーカホリックの対処法について紹介します。
勤務時間、残業時間を定点観測する
企業として従業員がワーカホリックにならないためにも、勤務時間や残業時間を定点観測することは重要です。
慢性的な働きすぎの状態を避けるために、残業が続いているようであれば早めに仕事の棚卸しや配分を変更すること、休みや早退・遅刻が続いているようであれば、必要なケアを行うなど、アラートに一早く気付けるような仕組み作りが重要です。
業務過多になっていないかを上長が確認する
自分のチームメンバーが業務過多になっていないかは上長が確認しましょう。
明らかに特定のメンバーに仕事が集中している、チーム内での仕事の連携が上手くいっていないなどの異変に気付いて、仕事の進め方や配分を変えるなどの配慮が必要です。
結果的にチーム全体のパフォーマンスの向上にも繋がります。
仕事でのミスや健康上の問題が頻発していないか確認する
仕事でのミスが頻発している、重要な内容の報告や相談が行われていない、頭痛や体を痛める仕草などがよく見られる等、ミスや問題などが何度も見られる時は異常のサインです。
早めに休ませる、適切な処置を取ることを促す等の対策が必要です。
業務の進捗を可視化する
日報で日々の業務の進捗について記載してもらう、クラウドツールを活用して進捗率を数字で可視化するなど、業務の進捗を可視化するのも1つの方法です。
上長が従業員の仕事の進捗を把握することで、何か困っていそう、問題がありそうであれば支援する、何か異常が見られればすぐにフォローするなどの行動に移しやすくなります。
仕事を持ち返らせないようにする
ワーカホリック状態の従業員は、帰宅後や土日でも空いている時間があれば仕事を行ってしまいます。
仕事を行わせないように物理的にパソコンを持って帰らせないようにする、業務のデータはオフィス外からはアクセスさせないといったことを講じることも必要かもしれません。
原則、仕事はオフィスでやり遂げてもらうものという認識をメンバーに持ってもらいましょう。
働きすぎの状態を防止し、従業員が働き続けられる組織を作ろう
ワーカホリック(仕事中毒)のデメリットやなりやすい人の特徴、対処法などについて紹介しました。
仕事に熱心に取り組むことは非常に重要ですが、度を超えてしまうと働けなくなってしまうため、長期的にパフォーマンスを上げてもらうような指導を行うことが重要です。
また、ワーカホリックになる前に、会社としても未然に防げるような仕組みを講じることによって、両者ともに良い関係が築けます。
ぜひ、自社に合ったツールの導入やワークショップの実施などに取り組んでみてください。