サンクスカードとは?導入メリット・デメリット、失敗と対策を紹介
感謝や賞賛の気持ちをメッセージにして伝えるサンクスカード。
会社での人間関係やコミュニケーションをより円滑にするために、様々な業種・規模の会社で導入が進んでいます。
最近では、専用のサービスの利用が普及しており、これまで紙で行われていたこと以上のものができるようになってきました。
この記事では、サンクスカードの導入メリット・デメリット、よくある失敗と対策などについて紹介します。
サンクスカードとは?
サンクスカードとは、従業員同士で感謝の気持ちを紙やデジタルを通して伝え合う制度のことです。
一緒に仕事をする中で、フォローしてもらったことやかけてもらった嬉しい言葉などを上司・部下・同僚に送ることで、社内コミュニケーションの活性化や従業員の良い信頼関係の醸成を目的に様々な業界の会社で導入が進んでいます。
また、最近ではリモートワークの導入やよりサンクスカードを送りやすくするために、専用のアプリ・ツールを活用することが多いです。
↓サンクスカードツールの機能や特徴などを紹介した記事はこちら↓
サンクスカードツール・アプリの機能や特徴、成功事例を紹介
サンクスカードを送る対象
サンクスカードを送る対象は、企業のルールにもよりますが、基本的に上司や部下、同僚など誰にでも送ることができます。
久しぶりに一緒のプロジェクトで仕事をすることになった他部署の人やまだあまり信頼関係を築けていない同じ部署の人、新しく入社した方など個別のメッセージを送るのはハードルは高い方であってもサンクスカードであれば、感謝やポジティブなメッセージと合わせて送ることで、コミュニケーションを取るきっかけになります。
サンクスカード導入の6つのメリット
サンクスカードを導入することによって、以下の6つのメリットがあります。
1.従業員のコミュニケーションが活性化する
サンクスカードのやり取りは、業務連絡とは違い、感謝や賞賛を伝え合うものですので、従業員間のコミュニケーションが増えます。
また、サンクスカードをもらったことにも感謝の気持ちが生まれ、「先日はサンクスカードありがとう」と当人同士の会話のきっかけになる他、そのサンクスカードのやりとりを見た他の従業員からも「サンクスカードに書いてあったあの言動、とても良いね」といった会話のきっかけにもなります。
2.部署や役職を越えたコミュニケーションの機会が生まれる
サンクスカードは、基本的に部署や役職の上下関係無く送ることができますので、あまりコミュニケーションを取る機会がなかったり、社内メール・チャットであまりやり取りすることが少なかった方ともカジュアルにコミュニケーションを取る機会が増え、部署や役職を越えて良い人間関係が作られていきます。
3.他の従業員の良い言動や仕事ぶりが可視化される
サンクスカード専門のツールやアプリを利用している場合、他の人が投稿したサンクスカードを閲覧できます。
他の従業員の良い言動や仕事内容などをサンクスカードを通して知ることで、その人への理解が深まります。
4.従業員のモチベーションが向上する
サンクス―カードをもらうことで嫌な気持ちになる人は少なく、もらうことが嬉しい人が大半です。
サンクスカードで仕事ぶりや普段の言動を褒めてもらえることで、さらに仕事に対してやる気が高まり、従業員のモチベーション向上に寄与します。
5.従業員の良い言動が増え、良い社風ができる
サンクスカードをもらって言動を褒めてもらうことで、その言動をもっと行おうという気持ちになったり、他の人の良い言動をサンクスカードを見て参考にするなど、従業員間で良い言動が増えていきます。
良い言動をする従業員が増えると、それが社風になって定着していきます。
6.従業員のエンゲージメントが向上し、人材定着に繋がる
サンクスカードを通して、認められたり褒められることを通して、仕事や会社へのエンゲージメントが高まっていくことが期待できます。
他の従業員と良い関係を築けたり、会社の社風を好きになることによって、その会社で働き続けたい理由になり、従業員の人材定着に繋がります。
サンクスカード導入による4つのデメリット
サンクスカード導入によるデメリットとして、以下の4つのことが考えられます。
1.サンクスカードの必要性をあまり感じない従業員もいる
サンクスカード導入前は、「業務の負担が増えてしまう」「本当に効果があるのか分からない」「自分から積極的に送れないかもしれない」といった声は少なからずあります。
特に会社や上司からノルマを設定して強制的にやらされているといった状況や従業員に説明の無いまま利用開始となった場合は、あまり上手く軌道に乗らずに失敗してしまう可能性があります。
従業員にサンクスカードの導入の目的やどういった活用をしてほしいのかを具体的に説明し、できる限り従業員の理解を得られてから利用を開始することがオススメです。
2.導入して終わりではなく、運用の手間やコストがかかる
サンクスカードを導入したら、従業員がずっと使い続けてくれるかというとそうではなく、しっかりと主導して運用していく必要があります。
月次や四半期などでサンクスカードの送付者と受信者のランキングや良いサンクスカードを表彰したり、様々な部署のメンバーに積極的に送付してもらうことで利用率を上げるなどといった運用が必要です。
3.ランニングコストが発生する
サンクスカード専用のツールやアプリを利用する場合、そのツール・アプリの必要が発生します。
従業員1人あたり数百円ほどですので、月額数万から数十万円ほどのコストが発生しますので、コスト以上の成果を得られるよう、ツールを活用していく必要があります。
4.導入してから成果が出るまでに時間がかかる
サンクスカードは導入して従業員に利用が定着してはじめて、従業員や組織に対して良い効果が生まれます。
導入してから全体に利用が定着するまでに少し時間がかかりますので、すぐすぐ組織に対して良い効果を求める場合は、違った打ち手を打つことがオススメです。
サンクスカードツールを導入する際の注意点
サンクスカードのツールを導入する際は、以下の点に注意してください。
サンクスカードのツール導入を目的にしない
知り合いの会社や有名な会社でサンクスカードを導入して組織に良い効果が出ているという情報を聞いて、自社の組織でどう活用するかを考えないまま、サンクスカードのツールを導入してしまい、結果使われなかったということは少なくありません。
サンクスカードは組織を良くする手段であり、サンクスカードを導入することが目的にならないよう注意が必要です。
自社の要件に合ったツール・アプリを利用する
サンクスカードのツールやアプリを導入した後に、必要な機能が無い、使い辛いといった理由で運用が止まってしまうという企業もあります。
予め複数のツールを比較検討し、自社に必要な機能やサポートを有したツール・アプリを選定することで、その後の利用率に大きな影響を与えます。
サンクスカードツール導入の際のサービス選定のチェックポイント
サンクスカードツール導入の際は、以下の内容を元にサービス選定を進めましょう。
・現状の組織の課題と理想とする組織の状態
・現状の賞与や表彰などの制度内容
・従業員の年齢やITリテラシー
・PCやスマートフォンの所有率
・従業員のメールアドレスの発行率
・初期導入や継続利用における費用
・サービス初期設定の工数
・サービスの機能
・サポート体制
・他のサービスとの連携の有無
・サービス利用終了後のデータの取り扱い
・他の利用企業の口コミ
サンクスカードツールを導入する際は、自社の状況を整理するとともに、サービスの特性やサポートなどについて比較検討し、自社の理想や現状に合うものを選ぶことで失敗する可能性を軽減できます。
サンクスカード導入時・運用時のよくある失敗
サンクスカード導入時や運用を開始してからのよくある失敗としては、以下のようなものがあります。
1.サービス導入の推進者/意思決定者が不在で利用開始までに頓挫してしまう
社長の一声で導入を決めたものの、サービス導入は別の担当者が進めることになり、結果上手く社内をまとめられずに頓挫してしまうというケースは少なくありません。
会社全体でサービスを利用する場合、様々な部署や役職者を巻き込む必要があり、非常に大変です。
そのため、サービス導入の推進者や意思決定者の社長や役員が現場任せにしてしまうと利用が開始されないこともあります。
2.テスト利用の際に機能要件を満たさないことに気付く
サンクスカードを全社導入する前に一部の部署やチームでテスト利用を行った際に、必要な機能が搭載されていなかったり、使い辛くて導入が見送りになるという失敗もあります。
サービス導入前に必要な機能の要件整理を行わなかったり、使用感を確かめなかった場合、テスト利用で躓いてしまいます。
3.導入後、全社員に浸透しない
サンクスカードの導入目的や利用イメージなどを具体的に従業員に伝えず、自発的にサービスを使おうという従業員が少ない場合、利用が一部の人に偏ってしまって、全社員に浸透しないといった事もよくある失敗です。
管理画面で利用していない人を確認して、利用したことがない人を少しずつ巻き込んで利用者を増やしていくことが重要です。
4.一度全社で導入したものの運用が形骸化する
一度全社で利用を開始し、利用が浸透した後、徐々に飽きてきたり興味度が下がっていくことで利用率が下がってしまうことは多くの会社で起こる問題です。
サービス導入初期は、目新しさや新しいサービスを触ることの喜びがありますが、長く使い続けてもらうためには、イベントを開催したり、定期的に運用を見直す必要があります。
サンクスカード導入時の失敗を防止する方法
サンクスカード導入時のよくある失敗は、「サービスの利用開始まで社内を巻き込めなかった」や「自社に必要な要件を満たさなかった」があります。
これらの失敗を防止する方法としては、以下のようなものがあります。
サンクスカードの導入を目的にしない
1つ目は、良い組織を作る手段であるサンクスカードを導入することが目的にならないことです。
他社の経営者におすすめされたり、テレビや新聞などの雑誌で他社事例を知り、そのイメージのままのサンクスカードの導入が目的になってしまわないように、自社の課題や自社の活用などをイメージした上で導入の検討を進めましょう。
サービスの導入意思決定者・推進者が主体となってサービス導入を進める
よくあるのは、社長や役員が導入の推進や意思決定を行い、そこから利用までは現場に任せて放ってしまうことです。
現場のメンバーはサービス内容や利用目的を理解することが始まり、社長や役員が思い描いている利用方法と違う理解をしてしまったり、上手く社内を巻き込めずに利用が頓挫してしまうことがあります。
しっかりとサービス導入の意思決定者や推進者が最低限マイルストーンを描いて社内調整を行い、サポートをするなど主体的に関わっていくことが失敗防止に繋がります。
自社の組織の現状の課題や理想の状態に合ったサービスを選定する
導入してテスト利用や全社利用開始した際に、自社には合わずにサービスの切り替えを検討するような事態にならないためにも、サービス検討時に自社の組織の課題や理想の状態を元にして必要な機能やサポート体制などの要件を定義し、その要件に合うサービスを選定することが長期的に利用を継続させる上で非常に重要です。
サンクスカード運用時の失敗を防止する方法
サンクスカードの利用を開始して運用中によくある失敗としては、「全体に広がらずに一部の利用に止まってしまう」「どんどんと利用率が下がってしまう」といったものがあります。
これらの失敗を防止する方法としては、以下のようなものがあります。
各部署・チームから運用チームのメンバーを募る
サンクスカードの導入を全社員に広めていくにあたり、現場のメンバーにも協力をしてもらうことが近道です。
各部署・チームから公募もしくは上司の指名制で盛り上げ役に参加してもらい、サンクスカー導入後に積極的にサンクスカードを送ってもらうよう協力を依頼します。
この方法が一部のチームに利用が止まらず、幅広く少しずつ様々な従業員に広がっていき、効果的です。
まず運用チームやマネジメント層以上が積極的に活用する
サービス導入直後は、どのように活用すればよいのか従業員は分からず、様子を見てしまい、結果的に初動が上手くいかずに利用が止まってしまうという失敗もあります。
そのため、サービス導入時に活用のイメージを共有するほか、運用推進チームやマネジメント層以上が積極的に活用することで、利用イメージが湧いて、少しずつ従業員に浸透していきます。
サンクスカードの運用を制度や文化にする
サンクスカードの導入から時間が経過すると、利用率は少しずつ下がってしまう傾向にあります。
利用率がある程度一定の数字を保てていれば良いですが、どんどんと下がっていき、あまり活用されていない状態になってしまうとそこからまた利用率を上げていくのも非常に大変です。
運用が長く続いている会社は、表彰制度と組み合わせて使う企業が多いです。
四半期や半期、通期などの期間を対象に、サンクスカードの送付や受け取った数での表彰やサンクスカードの内容の中からベストサンクスカードを選定したりと定期的に表彰の対象にすることでサンクスカードを送る理由付けにもなり、利用率が安定します。
サンクスカードで交換できる景品例
サンクスカードは、社内ポイントやピアボーナスと合わせて利用できるケースも増えており、その貯まったサンクスカードのポイントで景品と交換できるような仕組みを設けている企業もあります。
サンクスカードで交換できる商品・景品の例としては以下のようなものがあります。
- 給与(第三の給与、ピアボーナス)
- キャッシュレスのポイント
- 社内制度や福利厚生
- ECのギフトカードやテーマパークのチケット
- 飲食店のクーポン
- グルメ/ギフト
サンクスカードの例文
サンクスカード導入後にメッセージを送り合う際に参考になるメッセージ例文をいくつか紹介します。
上司からの仕事への指導に対して
今日は商談に同席いただきありがとうございました。○○部長に商談いただいた後にいただいたフィードバックを元に次回の商談を進めてみたいと思います。
○○について質問した際に、過去の経緯や内容を詳しく教えていただいたので、理解が非常に深まりました。いきなりの質問にご回答いただきありがとうございました。
他部署の従業員の良い言動に対して
○○さん、今日はウォーターサーバーの水がほぼ無いことに気付いて、水の交換ありがとう。○○さんを見習って、自分も積極的に水の交換をしたいと思います。
今日は、全体集会の準備ありがとうございました。朝早くから会場の設営や備品の準備をしていただいたおかげでスムーズに会を進めることができました。
同じ部署・チームの同僚に対して
今日、○○さんから引き継いだお客様と初めて打合せがあり、褒めていただきました。○○さんが良い関係値を作っていただいたおかげです。本当に感謝しています。
この間は、情報調査のフォローありがとうございました。おかげさまで期限までに納得のいく資料を作成でき、お客様にも好評でした。
サンクスカードをアナログ(手渡し)でやりたい場合の方法
サンクスカードをアナログ(手渡し)でやりたい場合は、紙のサンクスカードを印刷してオフィスの決まった場所に置き、自由にそこから取って書いてもらうか、定期的に従業員に紙のカードを配ってそれに書いてもらうことがオススメです。
アナログの場合、サンクスカードの内容が他の従業員には見えず、当人間だけで閉じてしまうことや集計ができないこと、物理的な距離がある人に渡しづらいといったデメリットがありますが、直接顔を合わせて渡せるといった良い部分もあります。
紙のサンクスカードは、無地のカードであればちょっと味気がないので、Canvaから自社のイメージに合わせたり、季節に合わせてデザインテンプレートを選定し、サンクスカードのデザインを作成できます。
オススメのサンクスカードサービス
ソシキのミカタがオススメするサンクスカードのサービスを紹介します。
THANKS GIFT(サンクスギフト)
THANKS GIFTは、株式会社Take Actionが提供するサンクスカードのサービスです。
機能は、サンクスカードだけでなく、社内掲示板、社内チャット、景品交換機能、アンケートなど組織作りにおいて必要な機能が揃っています。
飲食店や冠婚葬祭などのサービス業で導入されるケースが多く、店舗スタッフへの情報共有やスタッフ同士の人間関係の構築などで利用されています。
クラウドサービス口コミサイト「ITreview」のピアボーナスのカテゴリーで一番高い顧客満足度を獲得しており、利用実績が多いだけでなく顧客からの評価が高いので、自信を持ってオススメできるツールです。
サンクスカードは専門のサービスを活用し、組織の問題を解消しましょう
この記事では、サンクスカードの導入メリット・デメリット、よくある失敗とその対策などについて紹介しました。
サンクスカードは、部署内外をまたいで気軽に感謝や賞賛のコミュニケーションを取れる、会社に良い文化・社風を作ることが可能な仕組みです。
紙のサンクスカードのやりとりも良いですが、集計や運用の効率化や組織へのさらに良い影響をもたらすためにはデジタルの専門のツールの活用がオススメです。
まずはサービス紹介資料をダウンロードいただき、自社の組織の課題や理想の状態と照らし合わせて検討してみてはいかがでしょうか。