チーム力とは?高める方法やメリット、リーダーの役割を紹介
チーム力を高めることは、業績を向上させる上で非常に重要で、経営者が各リーダーに最も期待することの1つです。
チーム力は、個々の従業員の能力やチーム内での連携など複数の要素が噛み合うことによって向上するため、配属や教育、マネジメントがチーム力に大きな影響を与えます。
今回は、チーム力を高めるメリットや方法、チーム力を向上させるためのリーダーの役割について紹介します。
チーム力とは?
チーム力とは、特定のチームが発揮できるチームの総合力、組織力のことです。
チーム力の大きさは、チームの構成員の個々の能力やスキル、チームワーク、役割分担などの様々な要素によって変わります。
チーム力が高いことによって、チームとして活動した時に大きな成果を残すことを期待できます。
チーム力とチームワークの違い
チームワークとは、特定の目標を達成するために個人ではなくチームで活動する連帯性やそのチームにおける協調性を指す言葉です。
そのため、チーム力の要素の1つとしてチームワークがあり、チーム力を高めるためにはチームワークは非常に重要な要素です。
チーム力が重要視されている背景・理由
チーム力が重要視されている背景や理由を紹介します。
ビジネスモデルの変化
この数十年の間に、有形商材から無形商材、大量生産から高負荷価値の創出など決められた業務をこなすような仕事内容から、競合他社と比較して優位性を出すために創意工夫をすることやその中でも生産性を重んじるなどビジネスモデルが日々変化しています。
市況や事業モデルの変化に合わせてチームも形や注力すべき内容を変えていく必要があります。
IT・AI技術の進化
ITやAI技術の進化によって、ツールを使いこなす能力やスキルなど専門性の高い技術が業務で求められます。
ITやAIを個人最適化で使うのではなく、、チームとして最適化できるようなメンバー同士の協力、情報共有が求められています。
グローバル化
ビジネスのグローバル化によって、市場で戦うのは日本企業だけでなく海外の企業も対象になりました。
海外の企業に負けないためにも、人材の多様化が進み、かつその中でも生産性を上げることが大事になりますので、チーム力はビジネスで勝つ上でも非常に重要視されています。
リモートワークの普及
リモートワークや在宅勤務では、オフィス出社よりもコミュニケーションの頻度や量が減り、必然的に情報共有の機会や量が減ってしまいます。
そのため、働く環境が変化する中でも、それぞれの働き方に対応した仕組みを作ったり、意識的にコミュニケーションを取ろうとする姿勢など、よりチーム力を大事にすることが見直されています。
チーム力を高めることで得られるメリット
チーム力を高めることで得られるメリットを紹介します。
組織全体のパフォーマンス向上
チーム力が高ければ、個々人の生産性が高く、チームとしても円滑に回るため、チーム全体のパフォーマンスが高くなります。
また、チーム内はもちろんチームを跨いだ連携も協力的に行われ、組織全体のパフォーマンス向上に繋がりやすいです。
人間関係の良好化による離職率低下
チーム力が高いチームでは、チーム内での情報共有や業務の助け合いが積極的に行われ、人間関係も良い傾向にあります。
人間関係が良く、チームも円滑に回っている組織であれば、そのチーム・会社に居続けたいという気持ちになるため、離職率の低下を期待できます。
従業員のロイヤリティーや帰属意識の向上
チーム内でそれぞれに信頼関係が築けており、仕事のパフォーマンスも高ければ、チームでの一体感が醸成され、仕事に対するロイヤリティーを感じやすくなること、それによってチームや会社への帰属意識が高まることを期待できます。
チーム力が高いチームの特徴
チーム力が高いチームの特徴について紹介します。
従業員個々のスキルや能力が高い
チーム力が高いチームは、従業員個々の業務遂行のスキルが高いことやそれぞれの役割で能力の高いメンバーが配属されていることが多いです。
いくらチームワークが良くても1人1人の能力が低ければ大きなパフォーマンスは期待できません。
チームで共通の目標やゴールが提示されている
チームが高いパフォーマンスを発揮するためには、チームとして向かうべき方向性を統一する必要があります。
チームの目標やゴールが明確であれば、向かうべき方向性も統一され、チーム内により一体感が生まれます。
相談や質問、協力依頼などのコミュニケーションが活発
1人1人が、個人とチームのパフォーマンスを最大化させるために業務を行うため、必要な相談や質問、情報共有、協力依頼などが活発に行われます。
普段からコミュニケーションを積極的に取ることで、業務が円滑に進むことや問題が発生しても早期に対処が行えます。
会議の議事録や業務の進捗などの情報がオープンである
会議の議事録や業務の進捗のオープン化は、他の人が情報を取得する工数を大幅に軽減し、チームとしての業務を効率化します。
社内wikiや社内掲示板、ビジネスチャットの活用などによって、情報のオープン化が可能です。
チーム力を高める方法
チーム力を高める方法について紹介します。
ビジョンやミッションを設定する
チーム力を高めるためには、そのチームが組成された目的や背景、何を行っていくのかを明確にし、方向性を統一することが重要です。
ビジョンやミッションを掲げ、チームメンバーそれぞれが同じ方向を向いて取り組めるようにしましょう。
定量的かつ期限をセットで目標を設定する
目標を定量的かつ期限をセットで設定することによって、いつまでに何を行うべきかが明確になります。
目標が定量的でないと、何を優先してやるべきなのか、どの水準まで高める必要があるのかが不明瞭になり、チームでの連携も取れなくなってしまいます。
SMARTの法則に基づき、目標を設定しましょう。
従業員の長所やスキル、個性を鑑みて配属を行う
チームとして活動する上で、個々の従業員のパフォーマンスを高めること、そしてチーム内の連携力を高めることの両方が必要です。
従業員の長所やスキルを把握し、人間関係なども考慮した上で配属を行うことによって、チームがより強化されます。
個々人の役割や目標を明確にする
チームで共通の目標を設定すると同時に、従業員個々人の役割や目標も明確に設定しましょう。
役割を明確にしないと、同じことを複数人で行ってしまい時間や効率がロスしてしまったり、誰かがやるだろうと作業の漏れが発生する可能性があります。
チーム同様、個人単位でも役割や目標を明確に設定しましょう。
コミュニケーションを取りやすい仕組みを導入する
仕事を円滑に進めるうえで、コミュニケーションの取りやすさが作業効率にも影響します。
コミュニケーションの手段が電話やメールよりもビジネスチャットの方が、要件を伝えやすく、かつログも残るため、ビジネスチャットの活用がおすすめです。
賞賛や感謝を伝え合う文化を醸成する
従業員が相互に信頼して気持ちよく業務を行うためには、日々感謝や賞賛を伝え合うことが効果的です。
何か協力してもらったら感謝を伝える、良い行いをしたら賞賛を伝えることで、チーム内で良い関係を築け、チーム力を高める土台が構築されます。
チーム力を高めるためにリーダーがやるべきこと
チーム力を高めるためにチームリーダーがやるべきことについて紹介します。
市況や競合の変化を察知し、対策を講じる
チームが市況や競合のあらゆる変化に適切に対応するためにも、会社外にも目を向けて情報を収集し、必要に応じて戦略を切り替えることも必要です。
対応が後手にならないよう、変化を察知し、適切な対策を講じることがリーダーには求められます。
稼働状況や進捗を確認して、対処する
チームがパフォーマンスを最大限に発揮するために、チームの稼働状況や進捗を確認し、問題が発生していれば必要に応じてリソースの再配分やバックアップを行う等で、チーム全体のパフォーマンスを維持・向上することが必要です。
チームメンバーのコンディションを把握する
従業員のモチベーションやコンディションは、生産性に大きく関わる要素です。
チームメンバーの様子を確認しながら、異常があれば早めに対処することが求められます。
チームメンバーの成長を支援する
チーム力を高めるために、チームメンバー1人1人の成長を支援することも重要です。
目標の設定、課題や状況の整理、資格取得や試験受験の支援等、1人1人のキャリア志向や能力・スキルに合わせた支援を行うことが求められます。
風通しの良い雰囲気を作る
従業員が報連相をしやすく、チーム内でも意見やアイディアを出しやすいような雰囲気を作ることもリーダーの役目です。
リーダーが高圧的であれば、チームメンバーは萎縮し、コミュニケーションが一気に減ってしまい、チームの生産性も落ちてしまいます。
リーダーが率先して、メンバーが意見を言いやすく、報告や相談をしやすい環境を作ることがチーム力を向上するためには欠かせません。
会社の業績や組織力を向上させるため、チーム力を強化する仕組みを作ろう
今回は、チーム力を高めるメリットや方法、チーム力を向上させるためのリーダーの役割について紹介しました。
チーム全体のパフォーマンスを向上するためには、個々の能力とチーム内の連携の両方を合わせて高めていく必要があります。
経営者や人事、チームリーダーは、チーム力を高め、会社の業績や組織力を強化するよう意識して取り組んでみてはいかがでしょうか。