リファレンスチェックとは?目的やメリット、実施の流れを紹介
重要なポジションの採用活動を行い、せっかく入社してもらえたのに早期離職してしまったり、なかなか成果を発揮してもらえないといったことは多くの会社で経験があるのではないでしょうか。
どうしても書類や数回の面接では、候補者のカルチャーマッチやスキルマッチを判断するには情報が少ない上に、採用コストも非常に高くなってしまいます。
今回は、採用活動においてミスマッチを軽減し、活躍してくれる可能性を高めるリファレンスチェックの実施目的やメリット、実際の際の流れなどについて紹介します。
リファレンスチェックとは?
リファレンスチェックとは、中途採用の過程の中で、求職者のこれまでの上司・同僚・部下から、履歴書や面接の内容の事実確認、人柄・勤務状況などについて聞き取りを行うことです。
採用活動において、書類や数回の面接に加えて、これまで一緒に働いたことのある第三者から聞き取りを行って真偽を確かめたり、追加の情報を得ることによって、採用可否の判断材料を増やせます。
外資系企業や大手金融会社では一般的に行われていますが、日本の企業も幹部や管理職採用などの場合に導入する企業が増えています。
日本におけるリファレンスチェックの実施状況
エンワールドが外資系企業、およびグローバルにビジネスを展開している日系企業303社を対象に実施した『中途採用における、リファレンスチェック実施状況調査』では、2021年1月時点でのリファレンスチェックの実施率は、
- 外資系企業:58%
- 日系企業:23%
となっています。
またリファレンスチェックを導入している日系企業の内、81%の企業がリファレンスチェックが採用判断に影響すると回答しており、採用活動において非常に重要な取り組みの1つとして捉えられています。
リファレンスチェックの種類
リファレンスチェックには、採用する側の企業がリファレンス先を探すパターンと求職者がリファレンス先を探すパターンの2種類があります。
それぞれについて紹介します。
採用する側の企業がリファレンス先を探す場合
企業がリファレンス先を探す場合は、業界のネットワークを活用して依頼する、外部の調査会社を活用する、間に入っている転職エージェントに依頼するなどの方法があります。
調査会社や転職エージェントを活用する場合は、リファレンス先を探すだけでなく調査も含めて依頼するケースがほとんどです。
求職者がリファレンス先を探す場合
求職者にリファレンス先を探してもらう場合は、求職者と一緒に働いたことがあるもしくは評価者に当たる人を2人以上探してもらいます。
求職者にリファレンス先の方を紹介してもらい、その後のやりとりは採用する側の企業が行います。
求職者にとっては選定や依頼の負担がかかってしまうことや現職に転職活動がバレてしまう可能性もあり、注意が必要です。
リファレンスチェックを行う目的
リファレンスチェックを行う目的としては、大きく2つあります。
それぞれについて紹介します。
書類や面接内容の事実確認
リファレンスチェックでは、履歴書や面接で聞いた内容に対して過大な申告や嘘をついていないかを確認します。
どうしても当人とのやりとりでは、その内容が本当なのかどうかは分かりません。
特に管理職や重要なポジションで、嘘の申告に気付かずに採用してしまえば、会社も候補者の両者にとって良くない結果を招いてしまいます。
客観的な視点での評価・意見の収集
リファレンスチェックで一緒に働いたことのある人や評価者など、求職者以外の人から見た求職者の実績や勤怠状況、勤務態度を聞くことでによって、自社の組織と合いそうかどうか求める成果を出せそうかなどをより具体的にイメージできるため、より採用の可否を判断しやすくなります。
リファレンスチェックを行うメリット
リファレンスチェックを行うことによって企業側には下記のようなメリットがあります。
ミスマッチを軽減できる
リファレンスチェックで自社の求人内容と合致するかどうかをより多くの情報を元に判断できるため、カルチャーマッチやスキルマッチなどのミスマッチの可能性を軽減でき、自社に合うかつそのポジションで活躍してくれるであろう人材を採用しやすくなります。
早期離職を防止できる
前職やこれまでの周りからの印象や勤務態度、勤怠状況を聞くことによって、入社後に真面目に働いてくれそうかをある程度判断できます。
入社後に態度が一変するといったことや勤怠状況が良くないといったことを未然に防ぐことで、早期離職のリスクを軽減できます。
求職者への理解が深まる
リファレンスチェックを通して、過去一緒に働いた方へのヒアリングを通して、書類や面接だけでは知り得なかった、良い部分や悪い部分を事前に知ることができます。
第三者の客観的な意見を聞くことによって、採用したい人材により納得感を持って内定を出すことができます。
リファレンスチェックの実施タイミング
リファレンスチェックは、採用活動の最終選考後から内定を出す前のタイミングで実施することが多いです。
内定を出した後は、労働契約が成立したとされるため、内定を取り消すのは非常に難しいです。
そのため、最終選考後の最後の合否判断の参考材料にするもしくは、最終選考前のタイミングでの絞り込みに活用することで、リファレンスチェックの実施コストを抑えられます。
リファレンスチェック実施までの流れ
リファレンスチェックを実施する際は、下記のような流れで進めてきます。
書類選考・面接を実施する
リファレンスチェックの多くは最終面接前後で実施されるため、まずは書類選考や面接で選考活動を行います。
求職者にリファレンスチェックの同意を得る
リファレンスチェックを実施するには、必ず求職者からの同意が必要です。
選考が進み、いざリファレンスチェックを実施したいとなった場合は、リファレンスチェックを実施する目的や内容について説明を行い、事前に同意を得ます。
同意を得られず拒否された場合は、実施できません。
リファレンス先を選定する
リファレンスチェックに協力してもらう方を選定します。
上述の通り、候補者に紹介してもらうパターンと調査会社などの外部に委託する場合があります。
リファレンス先が決まったら、事前に想定質問を送付したり実施日を調整することがひつようです。
リファレンスチェックを実行する
予定された日程にリファレンスチェックを実施します。
外部に委託している場合は、実施日からレポートが共有されるまで数日かかることがありますので、その点留意しておきましょう。
上記が、リファレンスチェックを実施するまでの一連の流れです。
↓リファレンスチェックサービスの機能や比較ポイントを紹介した記事はこちら↓
リファレンスチェックサービスの主な機能や比較ポイントを紹介
リファレンスチェックでの主な質問内容
リファレンスチェック時によく質問される内容について紹介します。
勤務状況/内容
- 勤務期間
- 役職や肩書
- 仕事内容
勤務態度
- 遅刻や欠席
- 勤務への真面目さ
- 周囲へのコミュニケーション
仕事に対する姿勢
- 目標へのコミットメント
- 上司との関係性
- 部下へのマネジメント
- 後輩への指導
スキルや実績
- 仕事での実績
- 仕事におけるミス
- 強み/弱み
- リーダーシップ力
その他
- 印象
- もう一度一緒に働きたいと思うか
- 書類や面接で気になる箇所の確認
リファレンスチェックを実施する際の注意点
リファレンスチェックを実施する際の注意点を3点紹介します。
リファレンスチェック実施前に必ず求職者から同意を得る
リファレンスチェックを実施する上で一番、気を付けないといけないのは、求職者にリファレンスチェックの目的や内容について説明を行い、実施に同意を得なければならないことです。
同意を得ずに実施することは、個人情報保護法に抵触し、違法行為になってしまいます。
質問してはいけない内容について理解しておく
リファレンスチェックでは、
- 本人に責任のない事項:求職者の出生地や家族に関すること、住宅や生活・家庭環境など
- 思想信条など:宗教や支持政党、人生観、思想など
上記のような内容は、就業差別に繋がる可能性があるため、リファレンスチェックだけでなく書類選考や面接などでも聞かないように注意しましょう。
リファレンスチェックの結果のみで合否を判断しない
リファレンスチェックでヒアリングした内容は、良い部分しか回答してくれなかったり、本音で回答されないといったケースもあるため、その情報だけを信じることは危険です。
求職者本人の書類選考や複数回の面接の結果と照らし合わせて総合的に判断することが重要です。
リファレンスチェック後の内定取り消しは可能か?
既に最終面接を終えて内定を出している状態で、リファレンスチェックを実施し、経歴詐称や懸念すべき事案が出た場合でも、内定を出した時点で就業開始日より前であったとしても労働契約が成立されたとされます。
一度労働契約が結ばれた場合は、経歴詐称や重大な懸念事案が見つかった場合でも内定の取り消しが認められる訳ではありません。
内定を取り消す場合は、内定を取り消す合理的な理由と言えるだけの重大な理由が必要になり、必ずしもその主張が通るとは限りません。
上記のことからリファレンスチェックを実施するタイミングは、内定を出すより前のタイミングに設定することが大きな問題に発展せずに済みます。
主なリファレンスチェックサービス
Parame Recruit
Parame Recruitは、採用候補者をよく知る人物から推薦を取得することで、採用面接では見抜けない能力・性格を把握できるリファレンスチェックサービスです。
推薦された人からのヒアリングを元に、性格分析・選考フィードバックを行います。
その後、チャットサービスで分析内容について細かく質問するといったやりとりも可能です。
back check
back checkは、国内実施数No.1のリファレンスチェックサービスです。
候補者のリファレンスチェック完了データを他の企業と共有して利用でき、候補者もリファレンスチェックに協力しやすくなる設計になっています。
コンプライアンスチェックを兼ねており、1つのサービスでリファレンスチェックに関する業務が完結します。
↓その他のリファレンスチェックサービスの機能や比較点を紹介した記事はこちら↓
リファレンスチェックサービスの主な機能や比較ポイントを紹介
リファレンスチェックサービスを活用し、採用のミスマッチを防ごう
今回は、リファレンスチェックの実施目的やメリット、実際の際の流れなどについて紹介しました。
リファレンスチェックは、重要なポジションの採用活動では欠かせない取り組みに1つです。
上手くリファレンスチェックサービスを活用し、自社の採用力強化と業務工数の軽減の両方を進めていただければと思います。
まずはサービス紹介資料をダウンロードいただき、自社で活用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。