働きやすい職場とは?特徴やメリット、施策例を紹介
従業員が長く働けて、活躍できる職場を作りたいというのは、多くの企業の方が考えていることだと思います。
働きやすい職場は、ただ居心地の良い職場ということではありません。
今回は、働きやすい職場の定義から特徴やメリット、施策例、おすすめツールなどについて紹介します。
働きやすい職場とは?
働きやすい職場とは、「心身が健康の状態で働ける」かつ「パフォーマンスを最大限発揮できる」この2つの要素を兼ね備えた職場のことを指します。
ただ単に心身が健康の状態で働ける職場であっても、業績や成果に結びつかないのであれば、従業員にとっては働きやすいかもしれませんが、企業にとっては働きにくい(成果の上がらない)職場という捉え方になります。
働きやすい職場を作ることによって、目標達成率向上や離職率低下など、業績と組織の両方に良い効果が期待できます。
働きやすい職場の特徴
働きやすい職場には、下記のような特徴があります。
人間関係が良好
仕事は基本的にチームで進めていきます。
人間関係が良好な状態であれば、ストレスを感じることが少なく、仕事を一緒に進める上で円滑に進められます。
反対に、人間関係に問題があれば、必要な情報が共有されなかったり、上手くチームで仕事が進められなかったりするため、非常に重要な要素です。
職場でのコミュニケーションが取りやすい
仕事では、情報の共有、相談、依頼など様々なコミュニケーションを取る必要があります。
そこで、ビジネスチャットを導入したり、遠くにいる人とも打ち合わせができるWeb会議ツールを導入することによって、段違いにコミュニケーションが取りやすくなります。
職場が綺麗に整理されている
普段仕事をする職場が綺麗であることは、仕事のモチベーションを上げる他、物を探す際に手間取らないといったメリットがあります。
意識して職場を綺麗にするということは、普段から整理整頓する習慣や文化が形成されている必要があり、その意識がコミュニケーションや顧客対応にも表れます。
仕事道具や機器を定期的に更新している
仕事で使用するPCやネット環境、ITツール、作業用具や機械などは、生産性に直結する重要なものです。
仕事で利用する機器やツールが使いやすければ、その分働きやすくなりますし、反対に使いづらければ働くモチベーションが下がったり、不満足感が生まれるなど、働きやすさに非常に大きな影響を与えます。
定時退社しやすく、有休が取得しやすい
仕事が終わったらすぐに帰宅できる、有休を計画的に取得できる、時間単位で有休を取得できる職場は働きやすい人間関係、社風でないとできないことです。
上司が積極的に声掛けを行ったり、姿勢を見せることによって、不必要な残業を減らしたり、休みもチームでうまく相談しながら取得できるようになります。
従業員への教育がしっかりと行われている
コミュニケーションの取り方やパワハラ・セクハラ対策、管理職向けにマネジメント研修などの教育がしっかりと行われている会社は、お互いに働く上で大事なポイントの共通認識があるため、働きやすい会社であることが多いです。
目標や方向性が決まっており、人事評価が明確
会社の方向性が決まっている場合は、従業員が同じ方向を向いて取り組めるため、建設的な議論を行いやすく、従業員個々人が頑張るべきポイントも明確です。
また、その頑張るべきポイントと人事評価がより結びつきが強い場合は、目標達成の意欲が向上し、より仕事に積極的に取り組めるようになります。
福利厚生が充実している
福利厚生が充実していることは、仕事でよりパフォーマンスを高めてほしい、プライベートを充実してもらうことで仕事に打ち込んでもらいたいという目的や意図が込められて設定されています。
福利厚生の内容によって変わりますが、心身の良好な状態を保つことにも、パフォーマンスを向上させることにも両方に良い効果を与えます。
働きやすい職場に必要な要素
働きやすいということは、働く上でストレスや不満足を感じる要素が無い・少ないということです。
働く上で不満足感を感じないためには、「衛生要因」が満たされていることが重要です。
衛生要因に含まれるさらに具体的な要素として、大きくまとめると下記6つがあります。
- 経営方針と管理方法
- 人間関係(上司・同僚・部下)
- 上司との関係・マネジメント方法
- 労働環境・条件(給与、働く場所、時間等)
- プライベート生活
- 安心・安全(身分、保障)
それぞれが不満足を感じない状態が、働きやすい職場を作る上では必要です。
働きやすい職場環境を整えるメリット
働きやすい職場環境を整えることによって、下記のメリットが期待できます。
従業員の生産性向上
働きやすい職場環境では、仕事に集中でき、仕事を進める上でも気持ちよくコミュニケーションが取れるため、従業員個々人とチーム全体の生産性が向上されます。
離職率低下
離職を考えるきっかけが少なくなること、不満足を感じないために会社への定着意欲が上がることより、離職率の低下や休職率の低下が期待できます。
怪我や事故発生リスク低下
職場環境が整備されていれば、仕事や作業に集中でき、アクシデントの発生率が下がるため、怪我や事故のリスクが低下します。
集中力が下がっている時、職場が散らかっている時、プレッシャーで精神状態が苦しい時は特に怪我や事故の発生リスクが上がるため要注意です。
企業イメージ向上
働きやすい職場では、企業に対するマイナスの感情を抱えにくく、知人や友人に会社を紹介する際もポジティブに紹介されることが多いです。
また、生産性向上や離職率低下などが実績として表れ、その実績や取り組みがメディアに報道されれば、世間一般からの企業イメージも向上します。
働きやすい職場を作るための方法・取り組み内容
働きやすい職場を作るための方法、取り組み内容例を紹介します。
中長期的な経営方針・目標の発信
全社集会、社内報などの場で中長期的な経営方針や目標などの方向性について発信します。
会社がどういう方向性で進んでいくのかが理解できれば、従業員も頑張るべき内容が明確になり、無駄な作業や思考を減らせます。
従業員の相互理解を深める
良好な人間関係を作るためには、お互いのことを良く理解し、それぞれに合ったコミュニケションが取れることが理想です。
社内報での従業員紹介、社内SNSの活用、飲み会の開催、部活動制度など、会社のツールを活用したり、交流の機会を設けるといった施策が考えられます。
マネジメント研修の実施
従業員がストレスを抱えたり、離職の要因になってしまう一因が、上司との関係や上司からのマネジメント方法です。
マネジメント研修を行っていない企業では、独自のやり方に任せてしまうため、様々な問題が発生してしまいます。
マネジメントを行う上で重要なことを理解してもらい、その基本原則に則った上で、マネジメントをしてもらうことで、より成果を上げられる可能性も上がりますし、問題の発生を軽減できます。
労働条件の改善
従業員に支払う給与や福利厚生、働く場所や制度も働きやすさに大きな影響を与えます。
給与においても評価の項目や方法を明確にしておくことで納得感を上げられますし、福利厚生は、福利厚生代行サービスを活用することによって、より従業員が求めるサービスを提供できます。
最近では、フレックス制度やリモートワーク制度、時短制度など、働く場所や時間に自由度を持たせることで雇用の維持や採用の強化に取り組む企業も増えており、目的を定め、自社の組織に合わせて導入することがおすすめです。
心身の健康支援
ストレスを抱えた状態であったり、体が健康でない状態では、パフォーマンスを発揮することは難しいです。
また、心身の健康を疎かにしてしまうと、休職や離職に繋がってしまうため、従業員と企業双方にとってよいくありません。
メンタルヘルス研修でセルフケアの方法を習得してもらうことや産業医にいつでも相談できる仕組みを作ること、健康状態によっては休みをとってもらうことなど、従業員自身と周囲でサポートできる環境を作ることが重要です。
従業員のリスク管理の実施
従業員が怪我や事故、事件に巻き込まれることが無いよう、安全に配慮したり、リスク軽減に努めることも重要です。
従業員が安心して生活できるような報酬や手当・制度を整備する、体調が悪い場合は休んでもらう、自然災害が発生した際は通勤よりも身の安全の確保を第一優先にしてもらうなど、会社がリスク管理を行う必要があります。
働きやすい職場を作るために必要なツール・サービス
上記で働きやすい職場づくりのための方法について紹介しましたが、それらの方法や施策を実行する上で活用したいツール・サービスを紹介します。
TUNAG
TUNAG(ツナグ)は、エンゲージメント向上を支援する様々な機能を有するオールインワンのサービスです。
サンクスカードや社内報、SNS、社内チャットなどの他のサービスも提供しているサービスの他、組織図、ワークフロー、タスク管理などの従業員も管理者にも喜ばれる機能を提供しています。
働きやすい職場づくりにおいて、情報共有や相互理解を深める仕組みづくりに役立てられます。
THANKS GIFT
THANKS GIFTは、従業員同士で感謝や称賛を伝え合うサンクスカードのサービスです。
機能は、サンクスカードだけでなく、社内掲示板、社内チャット、景品交換機能、アンケートなど組織作りにおいて必要な機能が揃っています。
飲食店や冠婚葬祭などのサービス業で導入されるケースが多く、店舗スタッフへの情報共有やスタッフ同士の人間関係の構築などで利用されています。
働きやすい職場づくりにおいて、従業員同士の相互理解を深める仕組みづくりに役立てられます。
Wistant
Wistantは、マネージャーによる「マネジメント・アクションの実行」や、1on1・目標管理・フィードバック(評価)の運用と改善をサポートするオールインワンのツールです。
1on1に関しては、事前のトピック共有、議事録・非公開メモの作成、充実度の分析など様々な機能を有しており、1on1や目標管理、マネジメントなどに課題を抱えている企業におすすめのサービスです。
働きやすい職場づくりにおいて、マネジメントの仕組み化や強化に役立てられます。
emol for Employee
emol for Employeeは、アプリを通して認知行動療法セルフヘルプを行うとともに、従業員のメンタルヘルスケア支援の課題特定や計画策定などトータルでサポートするサービスです。
その企業に合わせてメンタルヘルスケアのサービス内容を変えているため、自社の特徴や課題に合わせたメンタルヘルスケアを従業員に行えるという特徴があります。
働きやすい職場づくりにおいて、従業員の心身の健康支援に役立てられます。
Smart相談室
Smart相談室は、法人向けのオンラインカウンセリングサービスです。
臨床心理士や産業カウンセラー、国家資格キャリアコンサルタントなどの相談員が多数在籍しており、仕事上の様々な悩みに幅広く対応しています。
従業員がサービス上で予約や相談を完結できるため、人事労務の負担を軽減し、また利用状況などがデータで見えるため、組織改善に役立てられます。
働きやすい職場づくりにおいて、従業員の心身の健康支援に役立てられます。
ツールを上手く活用して、働きやすい職場・組織を作ろう
今回は、働きやすい職場の定義から特徴やメリット、施策例、おすすめツールなどについて紹介しました。
働きやすい職場を作るためには、様々な要素の課題を解決する必要があり、徐々に制度やツールなどを活用して仕組みや体制を構築していく必要があります。
今回紹介しました働きやすい職場づくりの方法の実践やおすすめツールの活用を通して、働きやすい職場を実現いただければと思います。