オフィス移転とは?目的やスケジュール、チェックリストを紹介
オフィス移転は、企業活動の中でも非常に大きなイベントの1つで、大きな時間やコストが発生します。
そのため、オフィス移転を機に自社の組織に向き合い、課題解決や理想の組織作りに取り組む企業が増えています。
今回は、オフィス移転の目的や流れ、メリット・デメリット、やるべきことなどについて紹介します。
オフィス移転とは?
オフィス移転とは、従業員数の増加による拡張移転や契約している物件の期限切れに伴う移転、リモートワーク導入に伴う縮小移転など、会社の戦略や働き方、契約、コストなどの面から別のオフィスに移転することです。
ただオフィスをそのまま別の場所に移すだけでなく、オフィス移転を機に従業員の生産性の向上を意識した作りにしたり、自社の雰囲気や働き方に合わせた内装にするなどと自社の課題解消や理想の組織を実現するために行われます。
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オフィス移転の主な目的・理由
オフィス移転を行う主な目的・理由としては、下記のようなものがあります。
- 人員増員によるオフィスの窮屈感
- コスト活動の効率化
- 経費削減
- 立地イメージに伴うブランディング
- 取引先からの信頼獲得
- 優秀な人材の採用や定着
- テレワーク導入に伴うオフィスの縮小
- 賃貸契約の満了
- 建物の老朽化
- 親会社の移転、企業や事業の売却・統合
オフィス移転は、非常に大きな工数や費用が発生するため、企業にとっては非常に大きなイベントであるため、何かしらの目的や理由で移転を行います。
事業が上手くいっているためにプラスの移転もあれば、業績不振に伴うマイナスの移転、契約満了に伴う外部要因での移転などと非常に様々な理由でオフィス移転は行われます。
オフィス移転に伴い発生するメリット・効果
オフィス移転は移転する目的によっても変わってきますが、主に下記のようなメリットがあります。
従業員の満足度・モチベーションの向上
オフィス移転によって、以前のオフィスよりもアクセスが良くなったり、内装が変わることで働きやすくなることによって、従業員の満足度やモチベーションの向上が期待できます。
特に従業員の意見を取り入れながらオフィスをデザインすると、従業員の不満足を軽減しつつニーズを満たすため、より満足感が高まる傾向にあります。
従業員の生産性の向上
新オフィスになって集中できるスペースが増えたり、IT環境や空調などが充実することによって従業員の生産性の向上が期待できます。
オフィスの中に緑を増やして緑視率を上げたり、同じチームのメンバーとコミュニケーションが取りやすくなるなど、オフィスの設計次第で大きく生産性が変わります。
オフィスの賃貸料の軽減
オフィスを縮小させたり、立地条件を下げるなどしてオフィスの賃料を軽減することによって、会社の財務体質を改善します。
オフィスの賃貸料は月額数十から数百万円ほどと非常に大きな固定費ですので、中長期で見ると大幅なコスト軽減になります。
企業のイメージアップやブランディングの向上
新しいオフィスを一等地や交通アクセスの良い場所などに構えた場合、その土地のイメージや条件の良さから企業のイメージがアップします。
また、立地以外にもオフィスの内装で開放感をアップさせたり、おしゃれにすることで取引先や関係者からよいイメージを持ってもらえることも期待でkます。
採用活動への好影響
オフィスの場所やオフィスの雰囲気は、新卒入社や転職活動において重要な要素の1つです。
オシャレなオフィスで働きたいという人もいるでしょうし、通勤時のストレスを軽減するためにも立地は非常に重要です。
営業活動の効率化
オフィスが公共交通機関を利用しやすい場所であったり、車での移動で便利な場所である場合は、客先に赴く時間を短縮でき、営業活動の効率化に繋がります。
またアクセスが良くなることによって、交通費の低減やガソリン消費量の軽減などに繋がる可能性もあります。
オフィス移転に伴い発生するデメリット
オフィス移転は移転する目的によっても変わってきますが、主に下記のようなデメリットがあります。
オフィス移転に伴う工数やコストの発生
オフィス移転には非常に多くの工数とコストが発生します。
新オフィスを探して内装レイアウト後に工事を行うこと、そして旧オフィスの原状復帰工事を行うなどと期間も半年から1年以上、費用も数百万から場合によっては数億規模発生する可能性があります。
従業員にも引っ越しの手間が発生
オフィスの移転に伴い従業員も貸与されたパソコンや自身の書類関係、また会社の備品などの引っ越しに協力してもらう必要があります。
少なくとも半日、その後の机や椅子等の設置、環境整備などを含めると数日、通常業務を止めなければなりません。
従業員の不満足の発生、退職等のリスク上昇
オフィスの場所が駅地下になって大半の従業員のアクセスが良くなっても一部の従業員は遠くなってしまったり、新しいオフィスの使い勝手が悪くむしろ不満足感が高まってしまう可能性もあります。
オフィスは従業員が仕事の時間の多くを過ごすので、オフィスまでの移動やオフィス生活に不満が溜まってしまうことで、離職リスクが上がってしまう可能性もあります。
オフィス移転までの流れ
オフィス移転を考えてからオフィス移転の一連の業務が完了するまで、大まかに下記のような流れで進めていきます。
1.オフィス移転の目的の整理
まずは移転する目的や移転先のオフィスに求める要件を整理します。
この目的や要件を整理しないことには、新オフィスの内装デザインがなかなか固まらずに何度も修正を重ねたり、決定までに長い時間を要してしまいます。
2.オフィス移転先の決定
新しいオフィスの要件が固まったら、その要件に合致する移転先を探し始めます。
実際に候補の移転先を見つけた場合、実地に赴いて周辺を散策したり、周囲の飲食店やテナントの雰囲気を確かめることも重要です。
すぐ隣で大規模な工事が行われていたり、オフィスまでの道が分かりにくいなど実際に行ってみないと分からないことも多々あります。
移転候補先を見つけたら仲介業者と交渉し、移転先を決定します。
3.オフィスデザインの設計
オフィスの移転先が決定したら、移転先の広さや設計を元に内装のデザインを決めていきます。
専門の業者に委託することで過去の施行実績からイメージを膨らませたり、アイディアをもらえます。
オフィスの内装を確定させる前に従業員からもアイディアや意見を募り、実際に利用する従業員が使いやすいようにデザインすることがオススメです。
4.新オフィスの内装工事
新オフィスの内装デザインが決定したら、内装工事に着工します。
内装のデザインだけでなく必要に応じて電気や水道、空調なども同時に整備していきます。
内装工事に着工する前には近隣のテナントへ工事の期間や音や光の発生の有無や避けるべき時間帯などについて説明や調整を行いましょう。
5.新オフィスの家具やネット環境の整備
ある程度内装工事が完了した場合、棚や机、椅子などの家具を先に運び込んでおくと引っ越し当日の負担が軽減されます。
物によっては納期がかかるものもあるかもしれませんので、前もって注文します。
また、ネット環境も確認を行い、wifiのルーターの位置の調整やルーターの追加などの対応を行いましょう。
6.新オフィスへの引っ越し
内装工事が完了し、引っ越しできる準備が整ったら、荷物や従業員も移動します。
従業員には新オフィス引っ越し前にレイアウトや使用ルールの共有を済ませておきましょう。
従業員には引っ越しの準備を前もって完了させてもらうとともに、引っ越し業者の手配も早めに完了させておくと安心です。
7.旧オフィスの原状回復工事
新オフィスへの引っ越しが完了したら、旧オフィスの契約内容に基づいて原状回復工事を行います。
契約元次第ですが、そのまま居抜きで入居する企業を見つけられた場合は原状回復をしなくていい事もありますので、契約元と相談し、居抜き入居が可能な場合は早めに入居してくれる企業やテナントを探すことがオススメです。
8.オフィス移転に伴う届出の提出
オフィスの移転が完了したらすぐに、必要な書類を届け出ます。
住所が変わらずにオフィスを増設した場合なども届出が必要です。
管轄地で必要な書類が変わる可能性があるため調査する必要があります。
この記事の下部でも必要な書類の一例を紹介しています。
オフィス移転までの期間の目安
オフィス移転を考え始めてからオフィス移転が完了するまでの期間の目安は、半年から1年ほどです。
オフィスの契約条件にもよりますが、オフィスを退去する日の半年以上前にオフィスの解約通知を行う必要がある場合は、少なくとも退去の半年前までには新しいオフィスとの賃貸契約を結んでおく必要があります。
そのため、新しいオフィスを探したり新しいオフィスの要件を固めるために少なくとも1年弱ほどは時間がかかると見ておくと良いです。
オフィス移転までの具体的なスケジュール
オフィス移転が完了するまでの具体的なスケジュールとその内容は下記のように進めていきます。
- 半年以上前まで:オフィス移転の目的や新オフィスへの条件の整備
- 半年前まで:新オフィスの決定と旧オフィスの解約通知、社内通知
- 3ヶ月~半年前:オフィスレイアウトの策定と内装工事開始
- 1ヶ月~3ヶ月前:引っ越し準備、家具や備品の発注、関係者への案内
- 移転直前~1ヶ月前:オフィスの内装や電気・通信・空調・水道等の確認
- オフィス移転期間:引っ越し作業
- オフィス移転後:移転に伴う届出の提出
上述のように新しいオフィスの要件の整理とその要件に合致するオフィスを探すことに時間がかかりますので、移転の1年ほど前から着手して早めに新しいオフィスを探し始めることがオススメです。
また上の画像及び記載はあくまでも目安です。
旧オフィスの解約予告の期限や内装工事の期間などによってスケジュールを前倒しする必要もあるかもしれませんので、まずは旧オフィスの契約書や内装工事期間の大体の見積を確認してください。
オフィス移転時に発生する費用
オフィス移転には非常に多額の費用が発生しますが、主にかかってくる費用としては、下記のようなものがあります。
新オフィスの不動産取得費用/賃貸契約に伴う費用
新オフィスの不動産を取得する場合はその費用、賃貸契約を結ぶ場合は、敷金・礼金や仲介手数料などが発生します。
新オフィスの内装工事費用
新オフィスの内装工事の費用や専門業者にデザインを委託した場合は、デザイン制作費用等が発生します。
新しい什器や家具の購入費用
新オフィスに納入する家具や備品等を新規注文する場合は、その費用も発生します。
旧オフィスの原状回復費用
旧オフィスの契約で原状復旧が必須の場合は、原状回復に伴う工事費用が発生します。
新オフィスへの引っ越し費用
新オフィスへ旧オフィスから物を運ぶに当たっての引っ越し費用が発生します。
その他の諸費用
その他、引っ越しに伴って発生した不用品の回収費用、新住所への変更に伴う名刺やパンフレット等の費用、届出提出に伴う費用などその他諸々の費用も発生します。
オフィス移転後に届出が必要な書類例
オフィス移転後に届出が必要な書類の一例を紹介します。
届出先 | 書類名称 | 期日 |
郵便局 | 郵便物届出変更届 | 移転判明後すぐ |
法務局
|
本店移転登記申請書 |
移転から2週間以内、
支店の場合3週間以内 |
支店移転登記申請書 | ||
税務局
|
事業年度、納税地、その他の変更異動届出書 | 移転から1ヶ月以内 |
本店移転登記申請書/ 給与支払事業所等の開設・移転・廃止届出書 |
移転から1ヶ月以内 | |
都道府県税事務所 | 事業開始等申告書 | 移転から1ヶ月以内 |
管轄の公共職業安定所 | 雇用保険事業主事業所各種変更届 | 変更日の翌日から10日 |
管轄の労働基準監督署 又は公共職業安定所 |
労働保険名称、所在地等変更届 | 変更日の翌日から10日 |
年金事務所 | 適用事業所所在地・名称変更(訂正)届 ※管轄内、管轄外で違いあり |
変更から5日以内 |
消防署
|
防火管理者選任届 ※社員が50名以上のみ |
特に指定なし (目安は、入居前) |
防火対象物使用開始届出書 | オフィス使用の7日前 | |
防火対象物工事等計画届出書 | 内装工事開始の7日前 | |
社会保険事務所 | 適用事業所所在地・名称変更(訂正)届 | 移転から5日以内 |
公共職業安定所 | 事業主事業所各種変更届 | 移転から10日以内 |
オフィス移転時の人事・総務のタスクチェックリスト
オフィス移転時の人事・総務がやるべきタスクのチェックリストです。
新オフィスの契約
- 新オフィスの要件を決定
- オフィスの内見
- 不動産仲介業者やオーナーと交渉
- 新オフィス契約
旧オフィスの解約
- オフィス解約予告時期の確認
- 解約予告通知の発送
- 預託金の返還時期の確認
- 原状回復の時期、条件の確認
- 原状回復工事の見積
- 原状回復工事の発注
オフィス移転準備
- オフィス移転計画の策定
- 内装やオフィスレイアウトのイメージ策定
- 内装工事業者へ発注
- 従業員へオフィス移転に関する事前告知
- 什器や備品の発注
- 引っ越し業者へ発注
オフィス移転入居直前、当日
- 電気水道ガス、ネット等の環境整備
- オフィステナントの使用ルールの確認
- 新オフィス使用ルールの策定、社員への共有
- 引っ越しマニュアルの策定と社員への共有
- 引っ越し作業
- 新オフィス、旧オフィスの鍵の受け渡し
オフィス移転前後の諸手続き、作業
- 金融機関や取引先への告知
- リースやレンタル業者への告知
- 必要な届け出の提出
- 郵便物の住所変更
- ホームページの住所表記の変更
- メールの署名内の住所表記の変更
- 封筒や名刺の住所表記の変更
オフィス移転を専門業者に依頼するメリット
オフィス移転を専門の業者に依頼するメリットとしては、下記のようなものがあります。
- 目的やイメージに合ったオフィスに移転できる可能性が高くなる
- オフィス移転のノウハウを元に迅速に移転業務が進む
- 内装プランニング時の図面書き出しやデザイン作成などの業務を代行してもらえる
- 時間や作業の工数を軽減できる
- オフィス移転の進捗やスケジュールを管理してもらえる
- オフィス家具や什器などを一式に揃えてもらえる
- 助成金や補助金についての情報を教えてもらえる(※業者による)
- 必要な届出書類について案内してもらえる(※業者による)
オフィス移転は、新オフィスの選定やレイアウトの策定、工事、書類の送付などやるべきことが非常に多いです。
オフィス移転を成功に近づけるとともに、オフィス移転以外の業務にも時間を割けるよう、オフィス移転の専門業者を活用しましょう。
オフィス移転業者を選ぶ際の確認ポイント
オフィス移転の専門業者を選定する際は、下記4つがポイントです。
オフィス移転業者のサービス対象範囲
オフィス移転業者によって、新オフィス物件の調査から移転後のフォローまでのどこからどこまでをサービス提供範囲にしているかが異なります。
また、それぞれどこの部分に強みがあるのかも異なりますので、自社がお願いしたい内容とその優先順位を元に選定することがオススメです。
オフィス移転のサポートに伴って発生する費用
オフィス移転の専門業者のサポート範囲とともに発生する費用も異なります。
オフィス移転は非常にやることが多く、期間も長くなるため、金額もその分かかります。
オフィス移転や内装工事等の実績
自社がイメージする新オフィスの要件やデザインに近い実績があるかは非常に重要です。
イメージに近い施工実績が多数あれば、提案される内容も幅広くなりますし、完成後のイメージとの相違も少なくなります。
オフィスツアーとして、業者が施工した企業オフィスを案内するイベントを開催している業者もあります。
オフィス移転後のサポート
オフィス移転は、移転後に目的に対する効果測定や細かいアフターフォローの有無も重要です。
オフィスの移転後に何か問題や疑問が発生した際に何をどこまでサポートしてもらえるかは事前に確認しておきましょう。
オススメのオフィス移転業者
画像引用元:株式会社ヒトカラメディア コーポレートサイト
オススメのオフィス移転業者は、『ヒトカラメディア』です。
オフィス移転の仲介から内装プランニング、工事と幅広くオフィス移転をサポートするとともに会社の組織課題に合わせたオフィスレイアウトを提案することが特徴です。
新しいオフィスのレイアウトを考える前にオフィス移転を機にチームビルディングのワークショップを開催したり、コンペ設計を実施したりとその会社が実現したいオフィス環境をプランニングできることが強みで、ベンチャー企業の初めての移転から大手企業の大規模移転プロジェクトなど多数の実績があります。
サービスへの満足度の高さやリピート率の高さから自信を持ってオススメできます。
事業の紹介資料は、下のバナー画像をクリックした先のページでダウンロードいただけます。
オフィス移転の専門業者を活用して理想のオフィス移転を実現しよう
今回は、オフィス移転の目的や流れ、メリット・デメリット、やるべきことなどについて紹介しました。
オフィスは、仕事の時間の大半を過ごす大事な場所で、設計やレイアウト次第で生産性や従業員のコミュニケーションの量が大きく変わります。
オフィス移転を考え始めた段階でまず専門の業者に相談することをオススメします。
まずは資料をダウンロードして、内容を確認してみてはいかがでしょうか。