社内表彰制度とは?メリット・デメリット、実施例、注意点まとめ
従業員の活躍や良い取り組みを表彰し、活躍を称えることによって、さらなる業績向上や従業員のモチベーション向上を期待できます。
ただ社内表彰制度は、運用次第ではメリットがある一方で、逆効果になってしまうケースもあります。
今回は、社内表彰制度の内容やメリット・デメリット、事例などについて紹介します。
社内表彰制度とは?
社内表彰制度とは、売上アップや利益創出など業績向上に貢献した社員や他の見本となる従業員を称える制度です。
従業員の活躍や貢献を評価し、会社として推奨すべき活動を可視化することで更なる業績向上やモチベーションの向上を期待できます。
表彰制度は、法的な義務は無く、実施の有無や内容、表彰に対する景品はそれぞれの企業で決められます。
社内表彰制度を導入するメリット
社内表彰制度を導入することによって期待できるメリットを紹介します。
従業員のモチベーション向上
社内表彰制度で、活躍した人材を評価すること、普段はスポットラインの当たらない活動に対して表彰することを通して、成果を出したことに対して評価してもらえることによってモチベーションの向上が期待できます。
また、他の従業員にとっても、自分も表彰されたいので頑張ろうというモチベーションの向上も期待できます。
会社が推奨する活動の浸透
社内表彰制度によって、会社が評価する活動を周知させることによって、従業員全員が何を行えば評価されるのかが分かり、間違った努力が行われにくくなります。
離職率の低下
評価すべき活動に対して評価されること、成果を残すことで表彰されることは、その企業に居続けたいという理由になります。
また、成果を残したにも関わらず表彰されなかったという不満も軽減されるため、離職率の低下が期待できます。
会社の風土の醸成
社内表彰制度で、活躍した従業員や取り組みを全員で表彰することは、その会社の良い風土として築かれます。
日々の業務でも、良い取り組みに対しても褒めることが意識付けされ、さらに良い行動を生み出す源泉になります。
社内表彰制度を導入することのデメリット
社内表彰制度を導入することによって発生する可能性のあるデメリットを紹介します。
従業員の不満を招く
社内表彰制度の表彰内容や方法、基準が不明確であったり、不公平である場合は、かえって従業員の不満を招く可能性があります。
社内表彰制度では、透明性を保つことが重要です。
社内コミュニケーションが悪化する
社内表彰で過度に競争を煽ってしまうと、自分だけ成果を上げれば良い、自分のチームが表彰されれば良いということで、情報やノウハウの共有が減ったり、部署をまたいだ協力が行われなくなる可能性があります。
運用コストが発生する
社内表彰制度は、表彰までの過程で行うべきことがたくさんあります。
表彰対象のリストアップ、評価、表彰者の選定、景品の用意など、運用には多くのコストと工数が発生します。
社内表彰制度を導入している企業の割合
平成25年5月に厚生労働省職業安定局が公表した「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書 」によると、アンケート調査に回答した2,808社中72.4%の企業が「従業員に対する表彰や報奨などを行う」と回答しています。
主な社内表彰の内容
主な社内表彰の種類や内容について紹介します。
年間MVP賞
年間を通して会社の業績向上や成長に貢献した従業員を表彰する賞です。
営業成績を大幅に達成した、コストカットを行い利益率を改善した、採用や広報活動で著しい成果を残したなど、その企業で定める基準によって表彰を行います。
ルーキー賞
新卒や中途で入社年次が少ない社員を対象に、活躍した従業員を表彰する賞です。
入社後に成果を上げた新卒・中途社員を表彰し、モチベーションを向上させ、その後の定着を促します。
優秀チーム賞
部門や事業部などのチームを対象に著しい成果を上げたチームを表彰する賞です。
このチーム賞を設けることによって、個人単位で成果を残すだけでなく、チーム全体で成果を残す意識が醸成されます。
優秀マネージャー賞
優秀なチームや部門の責任者、マネージャーを表彰する賞です。
年間MVPやルーキー賞は、プレーヤーの中から選ばれるため、管理職は別で表彰を設ける企業もあります。
永年勤続賞
入社からの勤続年数に対して表彰する賞です。
入社から10年、15年、20年など節目となる年に表彰を行います。
日本企業の8割近くが導入しており、かなりスタンダードな社内表彰です。
ユニークな社内表彰の事例
ユニークな社内表彰を導入している事例を紹介します。
大失敗賞
年間の中で何かにチャレンジしたけれども失敗してしまった内容について明るく表彰する賞です。
チャレンジしやすくなる文化、一度失敗しても再チャレンジしやすくなる文化が醸成されます。
感謝賞
サンクスカードやピアボーナス制度を導入している企業において、年間で感謝された・した数が多い人を表彰する賞です。
業績だけでは見えない貢献についてもこの賞を設けることによってスポットライトを当てられます。
バリュー賞
会社が定めるバリューや行動指針に沿った取り組みを行っている従業員を表彰する賞です。
バリューや行動指針に即した取り組みをより促進する効果を期待できます。
イノベーション賞
これまでの仕事のやり方を変えたり、新しいアイディアを実践することで、生産性を大きく向上させるような社内でのイノベーションを表彰する賞です。
これまでの仕事のやり方に囚われず、常に改善していくような姿勢や取り組みを表彰できます。
社内表彰制度を導入・運用する際の注意点
社内表彰制度を導入する際の注意点について紹介します。
社内表彰の選考方法を明確にする
社内表彰の選考基準や選考方法の透明性がなければ、不公平感や不満が溜まってしまう原因になります。
社内表彰で社内に良い影響をもたらすために行ったにも関わらず、結果的に逆効果になったということにならないようにしましょう。
社内表彰の推薦理由・コメントをもらう
社内表彰を推薦した上司から表彰を推薦した理由やコメントを合わせて紹介することで、表彰された人も他の従業員にも、なぜ表彰されたのかが理解しやすくなります。
上司との関係が良好化される効果も期待でき、様々な良い影響を期待できます。
大多数が表彰されるような運用は避ける
社内表彰では、全体の特に貢献した社員の一部を表彰することは、特別感があり、モチベーション向上も期待できますが、全体の大多数が表彰される場合は、表彰されなかった側の自信喪失やモチベーション低下に繋がってしまいます。
運用を定期的に見直す
社内表彰の選考基準や内容についても随時、経営方針や事業方針、組織作りの方針などに合わせて変えることで、より会社が望む効果を期待できるようになります。
また、不満が噴出している場合は運用方法を変えるなど、これまでのやり方に固執しすぎないことが重要です。
社内表彰制度を導入し、業績と組織をより強化する仕組みを作ろう
今回は、社内表彰制度の内容やメリット・デメリット、事例などについて紹介しました。
社内表彰制度があることで、従業員は自分の成績やチームの成績に強い関心を持ち、より頑張るモチベーションが生まれてきます。
ただ、社内表彰制度は内容や運用次第で逆効果になりますので、注意すべきポイントを押さえた上で、運用を常に改善し続けることが求められます。
ぜひ、社内表彰制度を導入、運用することで業績と組織をより強化する仕組みを作ってください。