社内ポイント制度とは?メリット・デメリット、おすすめアプリを紹介
従業員からの評価制度への納得度を高めたり、企業理念や行動指針を浸透させることに大きな効果を期待できるものの1つが社内ポイント制度です。
会社が取ってほしい行動への評価や従業員同士の感謝や賞賛のやりとりを通して社内ポイントが貯まり、それを景品に交換できますので、従業員にとってもモチベーションやエンゲージメントを上げる要因になります。
今回は社内制度の導入目的や仕組み、導入メリット・デメリットなどについて紹介します。
社内ポイント制度とは?
社内ポイント制度とは、社内独自のポイントを従業員の業務活動や会社に関する行動に対して付与したり、従業員同士で送り合う制度のことです。
付与された社内ポイントは、ギフトカードや独自の景品、福利厚生などに使用できます。
社内ポイントの付与や送付条件、交換対象の商品、ポイントの運用ルールなどは企業独自に設定でき、専用のデジタルのツールやアプリで運用することが多いです。
社内ポイント制度を導入する目的
社内ポイント制度を導入する目的としては、以下のようなものがあります。
給与や賞与で評価しきれないアクションを評価する
給与や賞与では、業績や誰の目にも見えるような大きな成果や貢献以外の良い言動を評価することはなかなか難しいです。
部署やチームのための良い活動や社内で積極的に改善の提案をしたり、協力依頼に積極的に参加するといったことも社内ポイント制度で規定することにより、給与や賞与と違った形で評価できるようになります。
会社が推奨する行動(行動指針)を促進する
会社が予めどういった行動に対して社内ポイントを付与するのかを提示している場合、従業員はその内容に沿った行動を取りやすくなります。
会社が推奨する行動を取る従業員が増えることによって、社内ポイント以外の行動に対しても積極的に協力・行動する従業員が増え、会社のよい文化・風土になっていきます。
感謝や賞賛される従業員の行動を他の従業員にも可視化する
ありがとうカードのやり取りに社内ポイントを紐づけている場合、従業員同士で感謝・賞賛をしている内容をシステムを通して全従業員に公開することも可能です。
従業員が感謝・賞賛されることでモチベーションが向上したり、当人間のやりとりを見て、社内コミュニケーションのきっかけとなったりと従業員と会社それぞれに大きなメリットがあります。
社内ポイント制度の仕組み
社内ポイント制度は、下記のような仕組みで運用されます。
1.社内ポイント運用の内容・ルール策定
社内ポイント制度を導入するにあたって一番最初に行うことは、社内ポイント運用のルール策定です。
社内ポイントを活用する目的を達成するために、下記の内容やルールを策定する必要があります。
- 社内ポイントの付与・管理方法
- 社内ポイントの月次の予算
- 社内ポイントを付与する対象のアクション
- それぞれのアクションへ付与する社内ポイントの数
- 社内ポイント付与のタイミング
- 社内ポイントの有効期限
- 社内ポイントと交換できる景品
- 社内ポイントの付与や管理、交換にあたってのルール
企業の管理者側と従業員側それぞれで運用やルールを定める必要があり、このステップが非常に重要です。
2.社内ポイントの付与
1で定めた社内ポイントの付与条件と付与数量に則って、社内ポイントを付与します。
基本的には、月末で締め切って次の月の月初などのタイミングで合算して一斉に付与するような運用をする会社が多いです。
アクションの管理や集計、社内ポイントの付与設定は手集計などのアナログで行うと非常に手間がかかるので、専用のサービス・アプリを活用することで業務を効率化できます。
3.社内ポイントの蓄積
従業員の方は、付与されたポイントを欲しい景品と交換するために蓄積します。
専用のサービス・アプリから現在の保有ポイントを確認できるようにしておくと、都度都度確認依頼に対応する必要がありませんので、専用のサービス・アプリを導入する際は、この機能が付いているものを選ぶことがオススメです。
4.景品と交換
蓄積したポイントを会社が用意した景品と交換します。
こちらも社内ポイントの付与と同じく、月末で締め切り、その次の月以降に景品を贈呈する運用がオススメです。
景品の在庫を発注したり、数量管理も手間になりますので、eギフトや自社の制度・福利厚生などを景品に設定するケースが多いです。
社内ポイント制度導入による組織への効果・メリット
社内ポイント制度を導入することによって組織には下記のような効果・メリットがあります。
従業員のモチベーション向上
自分が起こしたアクションや成果に対して評価されたり、他の従業員から感謝されることで嬉しい気持ちになり、もっと同様の行動を増やしていこうというモチベーションが上がります。
社内コミュニケーションの活性化
他の従業員から感謝や賞賛のありがとうカードをもらったり、そのやり取りを見たことがきっかけで会話が生まれ、業務以外の話題での会話が増えていきます。
同じ部署の人だけでなく、部署や役職が異なる人とも会話のきっかけとなり、社内のコミュニケーションが活性化されます。
経営理念・行動指針の浸透
社内ポイントの付与対象のアクションに経営理念や行動指針に絡めた物を設定することによって、社内ポイントの獲得が増えるほど経営理念や行動指針が浸透していきます。
なかなか理念や行動指針を従業員の行動に落とし込むことは難しいですので、他の施策と比較しても非常に効果が見込める施策です。
人事評価への納得度の向上
社内ポイントは、業績や成果で評価が難しい行動に対して送られるものですので、会社や組織のための行動や間接的に業績に貢献するような素晴らしい行動が評価できるようになるため、人事評価への納得度が高まります。
従業員エンゲージメント向上による離職率の低下
社内ポイントの仕組みそのものやありがとうカードのやり取りを通して、従業員の会社へのエンゲージメントが高められ、社内ポイントの取り組みや他の従業員の良い行動によって作られる文化がその会社で働き続ける理由となり、離職率低下が期待できます。
感謝や賞賛を行う文化の醸成
ありがとうカードのやり取りによって、普段から他のメンバーの良い部分を見つけて感謝や賞賛を伝えることが習慣となり、そういったメンバーが増えていくことで企業独自の文化として根付いていきます。
社内ポイント制度導入による組織へのデメリット・注意点
社内ポイント制度を導入することによって、下記のような組織へのデメリット・注意点があります。
ポイント付与基準やルールを明確にしないと不満足に繋がる
社内ポイント制度に関する従業員も含めた注意点としては、ルールや導入目的を明確に共有しなければ不満足に繋がってしまうことがあることです。
特定のメンバーに利益が偏ってしまったり、後から何度もルールの改悪を行うことが無いように事前の設計と従業員への共有が非常に重要です。
集計や設定などの工数が必要になる
社内ポイントは、社内ポイント対象のアクションの集計や社内ポイントの付与、景品の準備などの作業が必要です。
定期的に作業が発生しますので、予め工数を確保しておく必要があります。
専用のツールの利用料が発生する
社内ポイントの専用ツールを利用する場合は、ツールの利用料が発生します。
従業員数や利用プランによって費用が変わってきますので、予め年間で予算を確保しておく必要があります。
社内ポイント制度の運用を成功させるためのポイント
社内ポイント制度の運用を成功させるためには、下記の内容がポイントです。
導入時に目的やルールを共有する
前述の通り、社内ポイントへの不満足の原因の多くが目的やルールが不明確・不公平であることです。
導入のタイミングで従業員に疑問や不明瞭な部分を解消してもらうことがその後のスムーズな運営に繋がります。
全体集会などの場で共有するとともに、資料をいつでも見れるようにしておくことがポイントです。
定期的に運用や内容を見直す
社内ポイントを運営していくなかで、従業員からリクエストをもらったり、さらに効率的に運営する方法が見つかると思われます。
従業員の方にとって改悪することはあまりよろしくありませんが、改善し続けることはお互いにとって良いことですので、定期的に運用や内容を見直して改善しましょう。
従業員自身でポイント数を確認できるようにする
社内ポイントを運営する中で一番面倒なことが、保有ポイント数の確認依頼です。
従業員自身で専用のサービス・アプリ内から保有ポイント数が見れない場合、都度管理者に確認依頼が入ります。
従業員が多くなると、この確認作業だけで非常に多くの時間を割くことになってしまいますので、専用のサービスは従業員のマイページ機能を有したサービスを導入することを強くオススメいたします。
社内ポイントが付与される内容例
社内ポイントが付与される対象の内容としては、下記のような内容のものがあります。
- 行動指針に即したアクションの実施
- 社内研修で講師として発表
- 社内横断プロジェクトへの参加
- 採用イベントへの協力
- 友人や知人を採用選考会へ招待
- 業務に役立つ資格の取得
- 無欠勤等の勤怠実績
- 急なシフト変更への対応、突貫作業の対応
上記の他にも、健康経営の一環で1日に特定の歩数以上を歩いた際や定期健診の受診などに対して社内ポイントを付与することで、従業員の心身の健康を支援する企業もあります。
社内ポイントで交換できる景品例
社内ポイントで交換できる景品は、自社で決定できます。
よく景品として用いられる物としては、下記のようなものがあります。
- eギフト
- 人気テーマパークのチケット
- グルメや旅行の商品券
- 書籍
- 福利厚生で提供している食事・飲み物
- 自社商品
在庫の管理をするのも手間がかかりますので、オンラインで注文し、オンラインでプレゼントできるAmazonや楽天などのオンラインショップのeギフトカードやオンラインで発券できるチケットなどを用意することが多いです。
社内ポイント制度に関連した制度・サービス
社内ポイント制度と並行して運用したり、類似の制度・サービスとして、下記のものがあります。
1.社内通貨
社内通貨は、その企業の中でのみ活用される独自の通貨です。
社内ポイントと同様に運用されることが多く、社内通貨を貯めて自社で用意した景品と交換できる仕組みです。
2.サンクスカード
サンクスカードは、従業員同士で感謝の気持ちを紙やデジタルを通して伝え合う制度です。
近年は、サンクスカードに社内ポイントを付与してやりとりすることが増えています。
従業員自身で送付するポイント数を選べたり、送付した際と受け取った際のポイント数を設定し、サンクスカードの流通量を増やす効果が見込めます。
3.ピアボーナス
ピアボーナスとは、従業員同士のサンクスカードなどのコミュニケーションのやり取りに報酬(社内ポイント、社内通貨)を付けて贈り合う制度です。
企業側から報酬を付与することはなく、従業員同士で感謝・賞賛し合うことで給与で評価できない部分を補完するため、第三の給与などとも呼ばれています。
4.表彰制度
表彰制度は、特に優れた成績を出した従業員や長い期間勤続した従業員などの他の従業員の模範となる成果や功績を出した方を表彰する制度です。
表彰された方は、褒賞として現金やギフトカード、社内ポイント等を会社から送られることが多いです。
従業員のモチベーションアップや組織力を向上させることを目的に実施されます。
社内ポイント制度の運用に専用サービスの活用が必要な理由
社内ポイント制度を運用するにあたって、管理者(人事・総務)の方がやるべきことを紹介した後に、専用のサービスが必須な理由について紹介します。
社内ポイント制度の運用にあたり管理者(人事・総務)がやるべきこと
社内ポイント制度の運用にあたり、管理者(人事・総務)が行うべき設定や作業は、以下のようなものがあります。
- 社内ポイント付与対象のアクションの集計
- 従業員ごとの社内ポイントの加算や減算
- 社内ポイント交換対象の景品の選定や発注、在庫管理
- 従業員ごとの社内ポイント数の管理
- 入社、退職に伴う従業員の追加や削除
社内ポイントの運用には、集計やポイントの計算、管理などで多くのやるべきことがあります。
特にポイント数の管理は、加算・減算を何度も行うため、集計に多くの時間がかかったり、ミスをしてしまう可能性もあります。
管理者の手間を軽減するためには社内ポイント専用のサービスは必須
社内ポイントに関する業務は、多くの工数がかかってしまったり、手集計ではミスをしてしまう可能性がありますので、効率化やミスをするリスクの軽減のためにも専用のサービスを活用することがオススメです。
アクション数の集計や景品の発注・受け渡しなどの一部の業務は残るものの、大半の業務は劇的に効率化されます。
特にサービスを利用しない場合、従業員それぞれからの保有ポイント数の確認依頼やポイント数の間違いがないかの確認依頼は非常に面倒ですので、この点が解消されるだけでも専用のサービスを利用する価値があります。
社内ポイント制度の運用にオススメのサービス・アプリ
社内ポイント制度を運用するにあたり、オススメのサービス・アプリを紹介します。
THANKS GIFT
THANKS GIFTは、株式会社Take Actionが提供するサンクスカードのやりとりや社内ポイントの管理を行えるサービスです。
管理者は、従業員へのポイントの加算や減算、景品のリストアップや従業員ごとのポイント数の管理を行え、従業員もマイページよりポイント数の確認や景品交換のリクエストを行えます。
クラウドサービス口コミサイト「ITreview」のピアボーナスのカテゴリーで一番高い顧客満足度を獲得しており、利用実績が多いだけでなく顧客からの評価が高いので、自信を持ってオススメできるツールです。
社内ポイント専用ツールを活用し、社内ポイント制度の運用を効率化しましょう
今回は、社内ポイント制度の導入目的や仕組み、メリット・デメリットなどについて紹介しました。
社内ポイント制度は、給与や賞与では評価しづらい部分を補ったり、会社が推奨する言動を増やしていくにあたって、非常に効果が期待できる取り組みです。
しかし、せっかく社内ポイント制度を導入しても管理者に負担ばかりかかり、結局運用が止まってしまうことは会社・従業員双方にとって良くないことですので、上手く専用のツールを活用しながら運用してみてはいかがでしょうか。