健康管理とは?目的や業務内容、効率化する方法を紹介
健康管理は、従業員の心身の健康を維持するためにも重要な業務ですが、健康診断の予約やデータの取り込み、ストレスチェックの回答回収やスコア入力など事務作業が非常に多い業務です。
人事・総務は、健康管理以外にも沢山のやるべき業務があるため、システムを上手く活用して、健康管理の業務を効率化することがオススメです。
今回は、健康管理の目的や業務内容、健康管理業務を効率化する方法などについて紹介します。
健康管理とは?
健康管理とは、従業員の心身の健康維持や病気予防のために、従業員の自己管理を促したり、会社が支援することです。
従業員の心身の健康が阻害された場合、業務のパフォーマンスが下がる他、休職や退職などに繋がってしまう可能性があります。
従業員の生産性やパフォーマンスが下がった場合は、当然企業の利益に影響を与えます。
健康管理は、企業利益に影響を与え、従業員が働き続けるためにも必要なため、従業員個人だけに任せず企業として取り組むことが求められます。
従業員の健康管理が必要な理由
従業員の健康管理が必要な理由を2つ紹介します。
安全配慮義務を遵守する必要がある
企業には、安全配慮義務という、従業員が安全で健康に働けるように職場環境を整備したり、管理体制を整える必要があります。
具体的には、労働契約法第5条で「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする」と定められています。
従業員にも自己保健義務が課されている
従業員にも自身の健康管理に努め、安全に働けるように行動する義務が課されています。
具体的には、健康診断の受診義務や私生活上の健康管理義務、症状が見られた場合の申告義務などがあります。
健康管理を疎かにするリスク
健康管理を疎かにすることで生じるリスクを紹介します。
従業員の休職・退職
健康管理を疎かにしてしまうと、従業員の病気や怪我を早期発見できず、対処が遅れてしまったために休職に繋がってしまったり、職場環境がより良い企業への転職するなどといったことが考えられます。
特に病気は早期発見と早期治療が非常に重要ですので、定期的な健康診断の受診や何か違和感がある際の報告などを行える仕組みを作ることが重要です。
事故発生
従業員の健康管理を行わず、体調が良くない場合でも勤務を続けさせると、運転中の自動車事故や工場内での事故、怪我などが発生することが考えられます。
体調が良くない場合は、普段より集中力が下がったり、思ったように体が動かないので、体調を管理して必要に応じて休んでもらうことが必要です。
生産性低下
従業員の心と体のそれぞれに不調がある場合は、本来のパフォーマンスを発揮できず、生産性が低下します。
1人のパフォーマンスの低下によって、他のメンバーがカバーするする必要があったり、チームのパフォーマンスが下がる可能性もあるため、チーム・組織全体に影響が発生することも考えられます。
健康管理に取り組むメリット
健康管理に取り組むことによって、下記のメリットが期待できます。
休職者・退職者の減少
健康管理に取り組み、従業員の病気を予防すること、早期発見して早期に対処することによって、従業員の心身の健康が保たれ、休職や退職のリスクが軽減されます。
企業として支援するとともに、従業員に自己管理を行うための教育や啓蒙なども重要です。
優秀な人材の確保
健康管理の取り組みの中で、健康診断を企業から補助したり、病気や怪我の治療の手当などを出すことで、従業員がお金の心配をする必要がなくなったり、より福利厚生が充実することで、優秀な人材に働き続けてもらえる理由の1つになります。
従業員のモチベーション・生産性向上
心身の健康が維持され、働きやすい環境が整備されることによって、従業員がより働きやすくなり、結果的にモチベーションが高まること、生産性向上が期待できます。
個々人の生産性が上がる他、チーム内での連携がスムーズに進むことによって、チームや組織全体にも良い影響を与えます。
仕事とプライベートの充実度の向上
従業員の心身の健康が保たれることにより、仕事の時間だけでなく仕事外のプライベートでも自分の好きなことに取り組んだり、フットワークが軽くなるなど充実度向上が期待できます。
プライベートが充実すると、より仕事を頑張るモチベーションになることが期待できるため、仕事にもさらに良い影響があると考えられます。
健康管理業務の具体的な内容
健康管理業務の具体的な内容は、下記の通りです。
健康診断
一般健康診断や有害業務に従事する従業員には特殊健康診断を受けてもらいます。
これらは、労働安全衛生法にて、診断が義務付けられているため、企業が従業員に受診の案内を出したり、必要に応じて日時の調整や予約の代行を行う必要があります。
ストレスチェック
従業員が50名以上の企業では、ストレスチェックの実施が労働安全衛生法第100条で義務付けられています。
ストレスチェックの書類の配布や回答の回収、労働基準監督署などへの報告を行う必要があります。
労働時間管理(勤怠、残業等)
タイムカードや勤怠管理システムなどを活用し、従業員の始業と終業時間を記録します。
その記録データを元に、指定の勤務時間より不足が無いかや残業時間が規制を超えていないかなどを確認し、必要に応じて調整してもらうよう依頼します。
休暇取得管理(有給取得推奨)
勤怠管理システムなどを活用し、有給休暇や休日出勤、代休取得などを管理します。
年5日以上は、有給取得が義務付けられていますので、適宜取得状況を調査し、有給取得を奨励することも必要です。
安全・衛生教育
従業員が安心して業務に取り組めるよう、執務室や業務エリアにおける安全・衛生教育を行います。
労働安全衛生法でも実施が義務化されており、業種によって内容が異なります。
産業医との面談の設定
心身の不調や悩みを社外の人に相談できる場所を設けるために、従業員と産業医の面談を設定・調整します。
従業員が人事には知られたくないという可能性もありますので、必要に応じて、従業員自身で面談を設定できるような仕組みを作っている企業もあります。
健康管理システムとは?
健康管理システムとは、従業員の健康に関するデータを一元管理するシステムのことです。
健康診断のお知らせや予約、ストレスチェックの配布や回収、安全衛生教育の通達など、紙などで行うのは非常に手間がかかります。
健康管理システムを導入することによって、紙で行っていた作業をシステムで効率化したり自動化できるため、健康管理業務を効率化できます。
健康管理システムの主な機能
健康管理システムの主な機能について紹介します。
健康状態のダッシュボード表示
従業員の健康診断やストレスチェック、勤怠状態などのデータをダッシュボードで表示し、問題点の見える化や過去推移表示などを行います。
健康診断受診管理
健康診断のスコア化や受診予約、事後措置の進捗度合いを可視化します。
健康診断の予約から結果表示までをシステム内で完結できます。
ストレスチェック管理
ストレスチェックの受診依頼から回答結果の回収、従業員ごとのスコア表示を行います。
システムによってストレスチェックの質問数や内容数は異なることがあります。
過重労働の監視
勤怠システムと連携することで、従業員の休暇取得や残業時間などから過重労働リスクがある方にアラート表示したり、疲労蓄積度などを表示します。
産業医面談予約機能
従業員がシステム上から産業医との面談を予約できる機能です。
管理者も面談の予約や実施状況を確認できます。
労務や勤怠システムとの連携
労務システムや勤怠システムと連携し、自動でデータのやりとりを行います。
労務システムに情報を一元管理したり、勤怠システムからデータを取り込んで、過重労働の監視などを行えます。
健康管理システムを活用するメリット
健康管理システムを活用するメリットを紹介します。
健康管理業務の効率化
健康管理システムを活用することにより、健康診断の予約やデータ入力、ストレスチェックシートの配布やデータの入力、その他、面談記録の入力など、事務作業やデータの取り込み等の業務をシステム内で行えたり自動化されることで、業務を大幅に効率化できます。
健康管理データ確認の簡易化
健康診断やストレスチェック、面談記録などのデータを一元管理することで、従業員の健康情報をシステム上で一覧で確認でき、リアルタイムで最新の情報をいつでも集計の手間なく確認できます。
従業員の心身の健康の維持
健康管理システムを導入し、企業として健康管理に投資をすること、従業員も産業医との面談を行いやすくなることによって、心身の健康がより良好になることが期待できます。
人事業務の効率化
健康管理業務が効率化されるだけでなく、労務管理や勤怠管理のシステムと連携することで、データを他のツールに入力したりアップロードする手間が省け、人事関連のデータを一元管理できるため、人事内での業務の連携が上手くいったり、個々人の業務も行いやすくなり、業務の効率化に繋がります。
健康管理システム導入時の比較・検討ポイント
健康管理システム導入の際は、下記のポイントを事前に比較・検討することがオススメです。
対応する業務内容
健康管理システムでまず最初に確認すべきなのが、システムが対応する業務内容です。
健康管理でも、健康診断やストレスチェックをはじめ、各企業で行っている内容も様々です。
自社の取り組みをシステムでどの程度効率化できそうかを最初に確認しましょう。
運用のしやすや
システムによっては、データの取り込みの形式(CSV、Excel)などが決まっている場合があります。
いちいちデータの形式を変えてアップロードするのも大変ですし、できればシステム内で自動でデータを取り込めるような運用ができることがベストです。
例えば、ストレスチェックもWeb回答が行え、自動でデータが取り込まれるようなシステムであれば、ほぼ自動で業務が完結しますので、運用のしやすさも確認してください。
セキュリティ対策
従業員の重要なデータを取り扱うため、セキュリティ対策を講じているかも非常に重要です。
指定のIPアドレス外からのログインを制限したり、二段階認証を入れることで外部からの不正アクセスを防ぐなどの機能があることが望ましいです。
連携ツール
人事全体の業務を効率化するためには、労務や勤怠システムなどと連携できることが望ましいです。
連携の仕方もシステムによって異なることがありますので、連携できるシステムとその連携方法を確認しましょう。
サポート体制
新しいシステムの導入は、初期設定がうまくいかなければ、その後の運用は高い確率で失敗します。
初期設定や運用が軌道に乗るまで、積極的にサポートしてくれるのか、サポートの体制や対応方法などについて確認しましょう。
利用コスト
健康管理システムは、なかなか費用対効果を図りづらいシステムです。
どの程度の業務が軽減できるかを元に、利用コストの上限を決めるとともに、複数のシステムの見積もりをとって、コスト感を知った上でシステムを導入しましょう。
この際に、システムの機能より費用を優先してしまうと、思っていたことができなかったという可能性がありますので、システム要件を優先することがポイントです。
オススメの健康管理システム
現在、オススメできる健康管理システムの情報を調査しております。
健康管理システムは、それぞれのツールによって提供機能や範囲が異なり、様々な観点を鑑みて皆様にオススメできるサービスを探しておりますので、少々お待ちくださいませ。
健康管理システムを活用し、健康管理業務を効率化しよう
今回は、健康管理の目的や業務内容、健康管理業務を効率化する方法などについて紹介しました。
健康管理システムは、健康診断の予約やデータ管理、ストレスチェックの回答収集やデータ取り込みなどを大幅に効率化するツールです。
健康診断の予約やデータ取り込み、ストレスチェック業務などに苦労されていませんか。
まずはサービス紹介資料をダウンロードいただき、自社で活用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。