勤怠管理とは?目的や仕事内容、システムの比較ポイントを紹介
勤怠管理は、一部の業態の企業を除き従業員を雇用している企業では義務化されている業務です。
最近では、タイムカードや紙での管理ではなく、専用のシステムを活用して管理するケースが増えています。
勤怠管理の業務の効率化やミスの防止、法律への対応などに課題を持たれている方はぜひシステムの機能概要や選び方などをぜひご覧くださいませ。
今回は、勤怠管理の目的や業務内容、システムの機能・比較検討ポイントなどについて紹介します。
勤怠管理とは?
勤怠管理とは、従業員の勤務時間や時間外労働時間、休日取得などをデータで管理・把握することです。
勤怠管理を行うことは、労働基準法によって企業には義務化されています。
勤怠管理を行わないことには、規定の時間以上の労働時間があるのかや割増賃金対象の労働時間が何時間かが分からない為、給与計算も行えません。
給与計算など他の業務にも関連するほか、法律を遵守するためにも勤怠管理は重要な業務です。
勤怠管理を行う目的
勤怠管理を行う目的としては、下記のようなものがあります。
法律を遵守するため
勤怠管理を行う目的の1つは、法令遵守です。
勤怠管理を行うこと自体が労働基準法第32条によって定められているため、行う義務があります。
また他にも、労働関係には、働き方改革関連法などによって、総労働時間や時間外の労働時間、休憩時間、有給取得数など遵守すべきことがあります。
そういった法令を遵守するためにも、勤怠管理を行うことが必要です。
給与の計算を行うため
従業員に支払う給与は、定められた労働時間に対する総労働時間、欠勤の有無、時間外労働の時間などを元に計算を行います。
そのため、正しい労働時間が付けられていないことには、正しい給与の支払いが行えません。
残業代や休日出勤代の未払いによって訴訟問題に発展するケースもありますので、正しい労働時間を把握し、正しく給与を支払う必要があります。
労働環境を改善するため
従業員の心身の健康を保ち、定着してもらうためには、労働環境を整えることが必要です。
労働環境を整えるためにも、まずは実態を把握する必要があるため、そのためには勤怠管理が必要です。
残業時間や休暇の取得状況など、現在どの程度負担が発生しているのか、人別や月別などで分析して、正しい打ち手を打つことが求められます。
勤怠管理が義務付けられている事業所
2019年4月以降、働き方改革の一環で労働関連法の法改正により決められたのが「労働時間把握の義務化」です。
勤怠管理を行うことが義務付けられる事業所の条件は、労働基準法のうち労働時間に関する規定(労働基準法第4章)が適用される全ての事業場であるため、従業員を雇用している企業全てになりますが、第一次産業で自然変動や天候に大きな影響を受ける業種は除外されています。
労働時間把握を怠ることによる罰則は現時点では課されていませんが、労働時間を管理していなかったことによって時間外労働が月45時間、年360時間を超えてしまった場合は、罰則として「半年以内の懲役もしくは30万円以下の罰金」が課されます。
勤怠管理を行わないことでの罰則はありませんが、従業員からは不満が出ることは確実のため、勤怠管理は行いましょう。
勤怠管理で管理する内容・項目
勤怠管理で管理すべき内容・項目は、下記の通りです。
- 出勤・退勤時間
- 労働時間
- 休憩時間
- 時間外労働時間
- 深夜労働時間
- 休日労働時間
- 出勤日数
- 欠勤日数
- 休日出勤日数
- 有給休暇の取得日数、有休残日数
勤怠管理の手法
勤怠管理の手法としては、下記の方法があります。
紙の出勤簿への記入
アナログな出勤・退勤時にオフィスに用意している用紙に記入する方法です。
この方法では、性善説に基づいて自己申告で数字を記載しますので、その記載された数字が正しい前提で集計を行います。
PCやスマートフォンが必要なく運用ができる一方で、不正申告やサービス残業の常態化に繋がりやすいというデメリットがあります。
タイムカード
出勤・退勤の際に自分のタイムカードを手に取り、専用の機械にて時刻を打刻する方法です。
操作が非常に簡単かつ低コストで運用できるため、一昔前はこの手法が主流でした。
この方法では、手書きの修正は認められないことやテレワーク・外出時には運用できないこと、管理者が集計を別途行う必要があるなどの制約や手間が発生します。
Excelシートへの記入
Excelに打刻用のフォーマットを作成し、そのシートに従業員それぞれが記入する方法です。
PCやスマートフォンからアクセスして記入できます。
ただ、厚生労働省が定める「客観的な記録」にはならないため、別の方法でも勤怠管理を行う必要が出てくる他、自己申告の誤りのリスク、入力ミスによる正しい集計が行えないといったデメリットもあります。
勤怠管理システム
勤怠管理を行う上で一番メリットが大きく、リスクが小さいのが勤怠管理システムでの運用です。
月に従業員1人あたり数百円ほどで運用でき、スマートフォンやPC、タイムレコーダーなどと連携して、システムが集計・分析を行います。
打刻方法も、顔認証や静脈認証、GPSの活用、ICカードタッチなど様々な方法があります。
運用にコストが発生しますが、業務効率化やミスの発生を防止するメリットがあります。
勤怠管理ツールとは?
勤怠管理ツールとは、従業員はスマホやPCなどをはじめとした様々な方法で打刻を行え、そのデータを自動的に集計・分析をするシステムです。
随時勤怠データが蓄積され、時間外労働規制に引っ掛かりそうな従業員にアラートを出したり、有給休暇の残日数を従業員自身で確認できます。
また、クラウドのシステムになるため、リモートワークにも対応しており、様々な働き方に対応しています。
勤怠管理ツールの主な機能
勤怠管理ツールの主な機能について紹介します。
打刻
従業員が出勤時刻と退勤時刻を打刻する機能です。
打刻方法はシステムによって異なりますが、主な打刻方法としてはスマホ・PCからのWeb経由、GPSの位置情報活用、顔認証、タイムレコーダー、ICカードタッチなどです。
勤怠データの集計
従業員が打刻した勤務時間や申請を行った残業時間や休暇日数などをシステム内にて自動で集計します。
時間外労働の申請
残業や深夜残業、休日出勤など規定で定められた労働時間外に労働を行う際に、上司に許可を取ることと承認を取ったことをログとして残す機能です。
管理職が時間外労働の状況を把握し、適切にマネジメントを行うことにも活用されます。
休暇取得の申請
有給休暇の取得や代休の取得、休日休暇を取得する際に、上司に許可を取ることと承認を取ったことをログとして残す機能です。
システム上で有給の管理を行うことによって、従業員自身が有給の残数を確認できるようになります。
アラート機能
残業の上限数に近づいた際に本人やその上司、管理者にアラート通知を出す機能です。
システムで適宜情報を集計して制限を超える前にアラートを出すことにより、上限を超えることを防ぎます。
工数管理
勤怠管理ツール内の工数管理では、従業員がいつどこでどういった業務を行ったのかを管理できます。
従業員の正確な労務状況を把握する目的で活用されます。
予実管理
勤怠管理の予実管理機能では、労働時間や残業時間の着地見込みの数字を算出したり、対象の部署や個人を指定して、日単位・月単位などで労働の状況を確認できます。
36協定対応機能
36協定に対応した勤怠管理の機能とは、「残業申請・承認」「残業時間のリアルタイムの確認」「残業時間のアラート通知」「打刻と申請時刻の乖離の確認」などの36協定に規定されている項目に対応した機能を指します。
勤怠データのエクスポート
従業員が入力した勤怠データをExcelやCSV、PDFなどで出力する機能です。
社内外に紙で展開をする場合や他のデータと突き合わせて分析することなどに活用されます。
関連ツールとの連携
勤怠管理と関連のある労務サービスや給与計算ツール、ビジネスチャットなどと連携する機能です。
関連ツールと連携させ、自動でデータのやりとりを行えるようにすることで、人事データの一元管理や分析が簡易化されるなどのメリットがあります。
勤怠管理ツールを利用するメリット
勤怠管理ツールを利用するメリットとしては、下記のようなものがあります。
勤怠管理業務の効率化
勤怠管理ツールを導入することによって、タイムカードや手書きのデータをシートに入力したり、入力したデータを計算するといった必要がなくなります。
システム内で自動で集計・分析が完了するため、勤怠管理業務が大幅に軽減されます。
計算や入力ミスの防止
勤怠管理システムを導入することによって、打刻の際に他の誰かのタイムカードで打刻をしてしまうことや時刻の入力を誤ってしまうこと、集計の際に対象の範囲を間違ってしまうなどの人的なミスの発生を防止できます。
法律や法改正への対応
労働基準法や働き方に関する法律は、新設されたり内容が変わったりと常に企業がやるべきことは変わり続けています。
自社で情報を収集し、運用を都度変えることは難しいですが、勤怠管理システムの場合は、システム側がその法律を遵守するようにアップデートされます。
セキュリティ向上
勤怠管理ツールでは、顔認証や静脈認証による打刻で第三者の打刻を防いだり、管理者側のサイトも二段階認証やIPアドレスなどでセキュリティ対策をしているツールが多いです。
従業員側と管理者側双方のセキュリティ対策を講じることが可能です。
勤怠管理ツールの比較・検討ポイント
勤怠管理ツールを導入する際に事前に比較・検討したいポイントを紹介します。
対応する業務内容
使用する勤怠管理ツールによって、対応している業務内容が異なります。
希望する打刻方法、残業や有給申請、帳票の出力などまずは勤怠システムに求める要件を固めるとツールの選定を行いやすいです。
企業規模
勤怠システムは、企業規模によって事業者が求める機能が異なるため提供している機能が異なります。
従業員が少人数であれば勤怠管理に付随した機能まで求めるケースがあったり、大企業ではセキュリティ対策が必須であったりと異なりますので、自社の規模に合ったシステムを選ぶことが重要です。
自社の働き方への対応
変形労働時間制やフレックス制度を導入している企業の場合、勤怠管理システムによってはその働き方に対応していない可能性があります。
自社の働き方の制度に対応しているかは確認必須のポイントです。
関連ツールとの連携
勤怠管理のデータは、給与計算や労務管理などを行う際に必須の情報であるため、データの連携が必要です。
システム同士が連携している場合は、自動でデータの受け渡しを行ってくれるため、自社が利用している関連ツールとの連携の有無は確認しておくとよいです。
サポート体制
勤怠管理システムは一度導入してしまえばその後の運用は楽ですが、初期設定と法改正が行われた場合の対応が大変です。
初期設定におけるサポートの有無や法改正に関するツールの対応方法の告知などがきちんとあるかはツールを使い続ける上で重要なポイントです。
利用コスト
勤怠管理システムは、多機能であるほど値段が高くなる傾向にありますので、利用コストをいくらまで許容するかは予め考えておきましょう。
大体月に1人あたり数百円ほどの金額感になります。
ただコストが安いツールを選定した場合は、勤怠ツールでやりたかったことができなくなるといった可能性がありますので、まずは要件に沿ったツールの中でコストを比較することがオススメです。
↓勤怠管理システムの機能や代表的なツールについて紹介した記事はこちら↓
勤怠管理システムの主な機能やメリット、比較ポイントを紹介
オススメの勤怠管理システム
KING OF TIME
KING OF TIMEは、国内シェアNo.1の勤怠管理システムです。
カードタッチや顔認証、GPSなど非常に様々な打刻方法があり、機能も豊富に搭載しているため、要望通りにシステムの活用が行いやすいです。
また、初期費用不要、1人あたりの利用単価が安いのも選ばれる理由の1つです。
勤怠管理システムを活用し、勤怠管理業務の効率化、ミスを防止しよう
今回は、勤怠管理の目的や業務内容、システムの機能・比較検討ポイントなどについて紹介しました。
勤怠管理、まだ紙やExcelなどを使って行っている企業さんは、勤怠管理システムを導入することで大幅に業務が効率化できることを実感できると思います。
それぞれのツールで打刻方法や連携ツール、搭載機能が異なりますので、自社の要件に合ったサービスを導入しましょう。
まずはサービス紹介資料をダウンロードいただき、自社で活用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。