適性検査とは?実施目的や内容、データの活用方法を紹介
採用活動において、求職者と企業双方にミスマッチをなくし、長く活躍してもらうために、人材の見極めに使われるのが適性検査です。
書類選考や面接だけでは、見ることができない部分を補完したり、定量的なデータを用いることで、採用活動の振り返りなど非常に多くの活用メリットがあります。
今回は、適性検査の実施目的や内容、取得したデータの活用方法などについて紹介します。
適性検査とは?
適性検査とは、新卒採用や中途採用において候補者の能力や資質、業務への適性が自社の採用したい人物像と合致しているかを見極める方法の1つです。
いくら能力が高い人材でも自社の社風と合わなければ、能力を発揮することは難しいですし、早期退職のリスクが非常に高いです。
そのため、書類選考や面接などと合わせて実施され、採用の合否の参考情報として用いられます。
適性検査で測定できる内容
適性検査は、大きく「性格検査」と「能力検査」の2つに分けられます。
企業が導入しているツールやシステム、代行会社によって、両方もしくは片方のみ実施されます。
- 性格検査:性格や行動傾向を測定(仕事の進め方、ストレス耐性、価値観等)
- 能力検査:知的能力や論理的思考能力を測定(計算、言語能力、一般常識等)
それぞれ上記のように検査で測定できる内容が異なります。
日本における適性検査の実施割合
リクルート社が運営する就職みらい研究所の就職白書2022 ~就職活動・採用活動の振り返りと今後の見通し(冊子版)~によると、1,588社が回答した2022年卒業の新卒社員を対象にした採用活動における適性検査・筆記試験の実施率は、「90.1%」となっています。
コロナ禍における採用活動でもオンラインで実施できるため、非常に高い実施率となっていました。
また、同じ調査にて、企業側への企業が採用基準で重視する項目の調査では、「性格適性検査の結果」は43.6%(4位)、「能力適性検査の結果」は35.2%(6位)となっており、選考活動において重要視されていることが分かります。
参考までに、上位10項目は下記の通りとなっております。
企業が採用基準で重視する上位10項目
順位 | 項目名 | ポイント |
1 | 人柄 | 94.5 |
2 | 自社/その企業への熱意 | 80.7 |
3 | 今後の可能性 | 68.7 |
4 | 性格適性検査の結果 | 43.6 |
5 | 基礎学力 | 37.5 |
6 | 能力適性検査の結果 | 35.2 |
7 | アルバイト経験 | 27.0 |
8 | 学部・学科/研究科 | 25.4 |
9 | 大学/大学院で身につけた専門性 | 23.8 |
10 | 大学/大学院名 | 17.0 |
適性検査を実施する目的
適性検査を実施する目的としては、下記のようなものがあります。
1.仕事を行う上で必要な能力や知識を持っているかを調べる
適性検査の中の能力検査では、計算能力や論理的思考能力、一般常識などを問う問題が出題されます。
自社の仕事に求められる能力が現時点でどの程度あるのかを知ることで、より自社で活躍してもらえる可能性が高い人材を見極められます。
2.自社や配属予定のチームとの相性を調べる
適性検査における性格検査では、その人物の性格や価値観などを問う問題が出題されます。
自社の雰囲気やカルチャーとのマッチ度を選考時に把握できるため、会社と求職者双方のミスマッチを軽減でき、より入社後も長く定着してもらえることが期待できます。
3.面接での定性評価だけでなく定量的に判断する
適性検査では、能力や価値観などを定量的に評価可能です。
面接だけでは、面接官の好みや主観のみで判断されてしまい、本当に必要な能力を持っているのかや自社に合う人材なのかの判断を行うことが難しいです。
そこで適性検査の情報を参考にすることで、定性情報と定量情報の総合的な観点から判断を行えます。
4.採用活動の振り返りに活用する
採用活動は入社したら終わりではなく、入社後の離職率やキャリアアップ情報などから、採用活動において良かったところや改善すべきところはなかったかを振り返ることが重要です。
自社で長く活躍してくれる人材を見極めるためにも、よりどういった人材が良いのかを具体的にしていくことで、より良い採用活動を行えるようになります。
適性検査で集めたデータの活用方法
定性検査で集めたデータは、自社のプライバシーポリシーに乗っ取り適切に管理することが必要です。
その中で実際に入社した人材のデータは、タレントマネジメントに活用することも1つの手です。
適性検査で取得した能力や性格検査のデータを元に、人員配置や能力開発を行ったりと様々な用途に活かせます。
成果を出す従業員はどういった能力・性格なのかというハイパフォーマー分析にも活用でき、タレントマネジメントやより良い組織作りに繋がります。
適性検査の検査方法
適性検査を実施する際は、実施形式と実施するタイミングの2つを考慮する必要があります。
それぞれについて紹介します。
適性検査の実施形式
適性検査の実施形式としては、Web受験、紙受験、テストセンター受験の大きく3つがあります。
- Web受験:受験者は受験ハードルが低く、企業側も集計が楽な一方、身代わり受験や不正が行われる可能性あり
- 紙受験:自社オフィスや指定の会場で行うため、面接やグループディスカッション等と合わせて実施しやすい一方、企業側の集計が大変
- テストセンター受験:本人確認や不正が行われるリスクが低い一方、委託コストの発生や受験者の受験ハードルが高くなる
上記のようにどの形式をとっても、メリットとデメリットがそれぞれ存在します。
適性検査を実施するタイミング
適性検査を実施するタイミングは、書類選考時、書類選考通過後の1次面接時、最終面接前、最終面接時など、目的によって異なります。
- 書類選考時:ある程度の母集団が集まった際に、書類選考と合わせて最初の見極め、絞り込みに活用します。
- 書類選考通過後の1次選考時:書類選考を通過して、次の面接やグループディスカッションなどの選考でオフィスに足を運んでもらった際に実施します。
- 最終面接前:最終面接前に受けてもらい、最後の候補者の絞り込みや過去の面接で知れなかった情報を補足するために活用します。
- 最終面接時:最終面接終了後、内定出しを行い承諾してもらう際の魅力付けや内定承諾後の内定者フォローに活用します。
適性検査の実施目的によって、選定する適性検査の種類や実施タイミングが変わりますので、自社の選考においてどう活用したいのかを元に、ツールやタイミング、形式を選定することがおすすめです。
採用担当者が注意すべき適性検査での不正行為と対策
適性検査を実施するにあたり、担当者が注意すべき不正行為とその対策としては、下記のようなものがあります。
- 性格検査での虚偽の回答:嘘を見抜く設問を入れたり、面接での定性情報を参考にする
- 電卓やPC、スマホの不正利用:PCのカメラ機能の活用、実施形式を変えて複数回実施する
- なりすましや代行:テストセンターやオフィスでの実施、写真との照合、形式を変えて複数回実施する
適性検査においても、書類選考時に能力検査を実施し、面接選考前後で性格検査と一部能力検査を行ったり、面接時に受けた印象と性格検査のギャップを把握したりと、ある程度の対策を講じることは可能です。
ただどんなに対策を講じても不正が発生する可能性はありますので、適性検査の情報を全て鵜呑みにせず、参考情報として活用するといったことも必要です。
適性検査ツールの選び方
適性検査のツールは非常に沢山の種類があり、どのツールを活用すべきか非常に難しいです。
適性検査ツールを選定する際の選び方を紹介します。
適性検査の目的との合致性
適性検査を行う目的と適性検査ツールが提供する内容が合致するかが一番重要です。
自社が能力検査、性格検査の中でどのようなデータが必要なのか、必要な情報のどの粒度・範囲まで聞けるとよいのかなどから、それに合致するサービスをリストアップします。
実施形式
適性検査の実施形式としては、紙、オンライン、テストセンターなどの受験方法があります。
自社がどの実施形式で行うのかにもよって利用できるツール、利用できないツールが分かれます。
特にこだわりがないという企業は、オンラインが集計の手間無く、採用担当者の工数も軽減できるため、オンラインで受験できるもので絞って良いでしょう。
必要なコスト
適性検査を受験する人数によって課金したり、設問数や利用できる機能に制限をかけて複数プランを設けたりとツールによって、課金形態が異なります。
特に大手企業や人気企業では、受験人数がかなり多くなることが予想されますので、あらかじめ予算をある程度決めておいて、ツールを選定する必要があります。
↓適性検査ツールの主な機能やオススメのツールを紹介した記事はこちら↓
適性検査ツールの主な機能や比較ポイント、オススメを紹介
オススメの適性検査のツール・サービス
eF-1G
適性検査ツール「eF-1G」は、中途採用・新卒採用の適性検査にはもちろん、入社決定の配属や育成までを行えるツールです。
回答レポートでは、個人の特性やポテンシャルなどをかなり細かい粒度で確認できます。
選考が始まってから内定者フォロー、入社後の配属や教育に至るまで線でサポートできることが特徴です。
適性検査ツールを導入し、自社に合った人材の採用活動を推進しよう
今回は、適性検査の実施目的や内容、取得したデータの活用方法などについて紹介しました。
適性検査は、書類や面接では見えない情報を取得し、自社のカルチャーや自社の仕事との適性を測る非常に重要なツールです。
まずはサービス紹介資料をダウンロードいただき、自社で活用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。