組織サーベイツールの主な機能や選定時の比較ポイントを紹介
組織サーベイツールを活用することによって、アンケートを自作したり手集計することなく、ツール上で配信から分析まで完結できます。
離職率の防止や従業員エンゲージメント向上を目的に多くの企業で活用が進んでおり、国産のツール・サービスもたくさん生まれています。
今回は、組織サーベイツールの主な機能や選定時の比較ポイント、運用の流れなどについて紹介します。
組織サーベイツールとは?
組織サーベイツールとは、従業員のアンケート回答を通して従業員の不満や職場の課題を可視化するツールのことです。
短い周期で少ない設問を回答してもらうことで変化を見たり、半年から1年に1回の周期で50〜100問ほどの設問を回答してもらい、幅広く組織における課題を把握し、その後の改善に繋げるために活用されます。
↓組織サーベイの導入メリットや注意点などを紹介した記事はこちら↓
組織サーベイとは?目的やメリット・デメリット、項目例を紹介
組織サーベイツールを活用する目的
組織サーベイツールを活用する目的としては、下記のようなものがあります。
組織の課題や従業員の状態をリアルタイムに把握する
組織サーベイツールで従業員にアンケートの回答をしてもらった結果は、ボタン1つですぐに集計され、スコアが表示されます。
ツールを活用しなければ、アンケートの回答収集からスコアを図示化するまでにある程度の時間がかかってしまいますが、ツールであればすぐに確認できます。
従業員の離職を防止する
組織サーベイを実施し、相対的に満足度の低い項目を特定したり、従業員の変化を見ることによって、離職リスクを発見し、早期にその対策を実行することによって、離職を防止します。
この活動によって、従業員の離職リスクを下げるだけでなく、従業員の不満足部分が解消されていくため、より働きやすい環境作りにも繋がります。
組織改善活動の優先順位をつける
組織サーベイツールによって、スコアを分析し、相関関係や相対的にスコアの低い項目の特定などを行うことによって、具体的に何の問題の解消から取り組めば良いのかが分かります。
ツールによっては、満足度の低い項目が目立つように色付けを行ったり、目的変数との相関関係をスコア化したり、これまでの推移を表示させるなど、より優先順位づけを行いやすい機能を開発しています。
組織サーベイツール活用のメリット
組織サーベイツールを活用することによって下記のようなメリットがが期待できます。
アンケートの集計や分析の業務を削減できる
組織サーベイを実施するにあたって大変なことは、アンケートの配布、リマインド、回答の収集、分析のこの4つです。
特に紙で実施する場合は、回答をエクセルなどに1つずつ手打ちする必要があるため、非常に大きな工数が発生します。
しかし、組織サーベイツールは、アンケートの配布から分析まで全てツール内で行えるため、管理者の工数が劇的に軽減されます。
回答の推移を画面上で確認できる
組織サーベイツールを活用することによって、これまで実施したアンケートの回答結果が蓄積され、スコアの推移や変動を画面上で確認できます。
手集計の場合は、過去データを引っ張り出して、自分で入力する必要がありますが、多くの組織サーベイツールは、過去からの推移を確認できるようになっています。
部門責任者への結果の共有を簡単に行える
組織サーベイツールで分析した後、部門やチームごとの責任者に共有する際、アカウント情報をそれぞれの責任者に渡し、閲覧範囲の制限をかけることで、管掌領域の結果をすぐに確認できます。
メールやチャットツールでレポートを作成して渡す手間なく、それぞれのアカウントでいつでも結果を確認できます。
組織サーベイツール活用のデメリット
組織サーベイツール活用におけるデメリットとしては、ツールの利用コストが発生することです。
アンケート回答対象の人数による課金や利用するプランによる課金など、ツールによって課金形態はことなりますが、おおよそ年間数十万〜数百万程度の金額が発生します。
ただ、離職を1人防止するだけでも、補填採用の採用広告費や紹介手数料と比較すると数百万円かかることもありますので、費用対効果は高いものだと考えられます。
組織サーベイツールの主な機能
組織サーベイツールには、主に下記のような機能があります。
サーベイの日時指定配信
組織サーベイの配信日時を事前に設定する機能です。
同時に、回答期間やリマインドメールの配信日時も設定します。
回答状況確認
部署や個人ごとの回答率や回答の有無を確認する機能です。
未回答の人に声をかけるなどの回答のリマインドに活用できます。
回答状況を確認できるため、アカウントにログインできていない人は、ログインで手こずってそうなどということが予測できます。
リマインド送信
アンケート未回答の人に対して回答を促すメールを送信できます。
アンケートの日時設定の際に設定する場合や回答締切前に即時にリマインドを送信するといった方法を取ることも可能です。
スコア集計
アンケートの回答締切期日を過ぎた後にボタン1つでアンケートを終了させ、スコアを集計する機能です。
入力の手作業がいらず、自動的に個々人のスコアが集計され、スコアが表示されます。
スコア分析/閲覧
組織全体の大カテゴリーごとのスコアや部署ごとのスコア、設問別のスコアをクロス集計表の形で出力したり、ランキングを表示させるといった機能があります。
組織サーベイツールの主な有料オプションメニュー
組織サーベイツールを導入するにあたって、サービスの基本メニュー外の主な有料オプションメニューを2つ紹介します。
ツール導入サポート
組織サーベイツールを導入し、従業員の情報をツールに取り込んでアンケートを配信する前までサポートするメニューです。
従業員の部署や役職の紐づけを行ったり、従業員の方への事前共有のフォローを行うような内容が組み込まれていることがあります。
組織コンサルティング
組織サーベイを実施し、スコアから具体的なアクションにまで落とし込む際のフォローを行います。
スコアだけを見てもその次に何をやれば良いか分からないといった企業は少なくありません。
そこでスコアの読み解き方やその後のアクションまで提案するコンサルティングは非常に重宝されます。
組織サーベイツール契約から運用開始までの流れ
組織サーベイを契約してから運用開始までの流れは下記のようになっています。
- 組織サーベイツールへのログイン情報発行
- 初期設定
- 従業員情報の取り込み
- 従業員への事前告知
- アンケート配信予約設定
- アンケート配信
まずは組織サーベイツール内にログインし、初期設定や回答者設定を行い、従業員の告知を行った後に、アンケートを配信しましょう。
従業員への告知を怠った場合は、アンケートの回答率が全然上がらず、データがほとんど集まらないことになってしまいますので、必ず事前に告知を行いましょう。
組織サーベイツールの運用開始から運用定着までの流れ
続いて、組織サーベイツールのアンケートを実際に配信してから運用を定着させるまでの流れについて紹介します。
- アンケート配信
- 未回答者リマインド
- アンケート集計
- スコアの確認、分析
- 課題解決の優先順位付け、実行
- 活動振り返り、目標設定
組織サーベイのアンケートを配信した後は、集計後にスコアの確認や分析を行い、改善活動を実行後に振り返りまでを行うのが一連の流れです。
最後に振り返りを実施するとともに、その後のアンケート実施のスケジュールの策定や次回の目標設定を行うことで、アンケートを行う仕組みができ上がり、運用が定着します。
組織サーベイツールを選定する際のポイント
組織サーベイツールを導入する際は、下記項目を比較検討ポイントを元に選定することがオススメです。
活用目的と取得項目の合致度
組織サーベイツールを活用する目的が、離職防止なのか従業員エンゲージメントなのか、それ以外の目的なのかと活用目的によって使用すべきツールの種類は異なります。
分析画面の充実度
自分で分析する手間を無くすために、部署別のスコアやクロス集計での分析などある程度の分析を行えるツールがオススメです。
サービスの使いやすさ
従業員が利用するアンケート回答画面や管理者用の画面などでサービスのデザインや使いやすさが充実している方が回答率が上がりやすく、システム利用の運用も定着します。
サポート体制
初期設定や不明点が発生した際のサポート窓口の有無などもツールによって異なりますので、確認が必要です。
料金体系
利用人数や利用するプラン・機能によって利用料金は異なります。
安ければ良いという訳ではなく、同じような機能やサポートを受けた場合に金額差がどの程度あるのかは比較検討すべき要素の1つです。
他のツールとの連携
組織サーベイのデータをタレントマネジメントツールに格納したり、他のツールと組み合わせて分析するなどといった、他のツールとのデータの連携が可能なのか、データの外部出力が可能なのかというのは確認すべきポイントです。
主な組織サーベイツール5選
主な組織サーベイツールの特徴や比較ポイントを紹介します。
ラフ―ルサーベイ
ラフ―ルサーベイは、ウェルビーイング経営を実現するために、組織と働く個人の可視化と行動変容を促す組織改善サーベイです。
19問のショートサーベイと144問のディープサーベイ、自社独自のオリジナル設問を元に組織の状態をや自社の良し悪しをダッシュボードで表示し、その後の対策サービスをレコメンドしてくれます。
その他、従業員のセルフケアを促したり、ウェルビーイングを推進する機能を有しています。
wevox
wevoxは、上場企業の株式会社アトラエが提供するエンゲージメントサーベイです。
3分で回答が完了するアンケートをアルゴリズムが各人に最適な質問を自動配信し、分析もリアルタイムに行えます。
チーム別の比較がしやすいことや過去の推移から組織の問題を発見しやすいのが特徴です。
モチベーションクラウド
モチベーションクラウドは、上場企業の株式会社リンクアンドモチベーションが提供するエンゲージメントサーベイです。
網羅的な質問より幅広い領域の中から自社の組織の課題が分かり、その後はコンサルタントが伴走し、課題解決までをサポートしてくれます。
その他、研修や動画、コミュニティなどを通して、他社の活動やチップスなどを共有しています。
Geppo
Geppoは、個人と組織の両方の課題を可視化するサーベイツールです。
毎月1回3問ほどの個人サーベイと四半期~半期に1回20問ほどの組織サーベイの両方を活用することによって、個人のコンディションの変化にいち早く気付いて対処し、組織の問題点を発見することも可能です。
ハタラクカルテ
ハタラクカルテは、人材定着・離職防止に特化したサーベイツールです。
人材定着やエンゲージメントと関係の深い15要素の質問を元に、組織・チーム・個人の状態を測定できます。
スマートフォンやメールアドレスが無くても利用できるようになっており、オフィスワーカー以外が中心の企業でも活用できるサービスです。
組織サーベイツールを活用し、組織改善活動の仕組みを作ろう
今回は、組織サーベイツールの主な機能や選定時の比較ポイント、運用の流れなどについて紹介しました。
組織サーベイツールを活用して組織の課題を把握し、データに基づいて活動の優先順位を付け、改善活動を行う仕組みを作ることが重要です。
1度きりのアンケートにせず、定期的に実施することで変化に一早く気付き、適切に対処できるよう上手くツールを活用してください。
まずはサービス紹介資料をダウンロードいただき、自社で活用できそうか検討してみてはいかがでしょうか。