風通しの良い職場とは?特徴やメリット・デメリット、事例を紹介
会議中にメンバーからの発言が少ない、意見を求めてもなかなか出てこない、仕事における報連相が不足していると感じる場合は、職場の風通しの悪さが原因かもしれません。
職場の風通しは、従業員の生産性や離職率、問題発生のリスクなどに大きな影響を与え、業績や組織と密接に関わります。
今回は、風通しの良い職場の特徴や風通しの良さのメリット・デメリット、風通しの良い企業の事例について紹介します。
風通しの良い職場とは?
風通しの良い職場とは、従業員がお互いを尊重し、自分の意見を率直に伝えられ、円滑に議論を行える職場のことを指します。
誰もが好き勝手に思ったことを言うのではなく、一定の節度を持って、お互いを尊重した上で発言できる状態です。
風通しの良い職場の特徴
風通しの良い職場の特徴を紹介します。
部署内・職場内のコミュニケーションが活発
風通しの良い職場では、挨拶や感謝の声掛けが積極的に行われ、かつ普段から報告や相談、連絡などのコミュニケーションが活発に行われます。
互いを尊重し、誰もが発言しやすい環境が普段のコミュニケーションを通して培われます。
会議時に意見やアイディアが出やすい
風通しの良い職場は、会議で意見を求められた際に、役職や年次に関係無く、発言をしやすいです。
特定の人だけ意見やアイディアが出る組織は風通しが良いとは言えず、全員が発言できる環境こそが風通しの良い職場の特徴です。
従業員間の人間関係が良好
従業員間の関係が良いことで、職場で仕事の話だけでなく雑談も行われ、自由に意見を言いやすい環境が整います。
会議の時だけ議論が活発という組織は珍しく、日頃から会話が多く、人間関係も良好な組織は、風通しも良い傾向にあります。
風通しの良い職場のメリット
風通しの良い職場のメリットを紹介します。
意見交換の活発化
風通しの良い職場では、従業員1人1人が自分の考えについて意見を言いやすく、意見交換の場でも、それぞれの視点・経験などから多角的な意見が出やすいです。
そのため、風通しの良い職場ほど意見が出やすく、これまで考慮されていなかった内容や新しい発想・アイディアも出てきやすいです。
生産性の向上
チームで仕事をする上で、必要な情報の共有、困った際の確認・相談がスムーズに行われることで、チームでの仕事がスムーズに進みやすくなります。
「上司に聞き辛い」「あの人に話しかけにくい」ということで仕事が滞ることなく、円滑に進められることによって、チーム全体の生産性も向上します。
離職率の低下
職場内で良い人間関係が築け、仕事においてもストレスが少ないことによって、離職を考えるきっかけや要因が減ること、職場に居続けたいと思える理由ができることによって、離職率の低下に寄与します。
トラブルの予防、迅速な対応
何か問題が発生した際や発生しそうなタイミングで速やかに上司や関係者に情報共有が行われることによって、トラブルを未然に防ぐこと、問題が大きくなる前に沈下できるなど迅速な対応に移せます。
風通しの良い職場のデメリット
風通しの良い職場におけるデメリットを紹介します
従業員によってはストレスを感じてしまう
一気に風通しの良い組織になることで、内気な社員や社交的で無い社員には、プレッシャーを感じたり、周囲の雰囲気が変わることにストレスを感じてしまう社員も一部出てくる可能性があります。
全員一律に発言を求めるのではなく、その人の性格に合わせたコミュニケーションを行うことが必要です。
職場に緊張感がなくなってしまう
従業員全員に意見を自由に言いやすい雰囲気を作ることで、かえって職場に緊張感が無くなり、業務に関係の無い内容についての話が増えたり、ルールを守らない、勤務態度が悪くなることもあります。
風通しの良い職場を作る際は、それぞれが互いを尊重し、自律を促すことも合わせて必要です。
上下関係が曖昧になる
役職や年齢関係無く、発言しやすくなることで、仲良し組織のような状態になり、職場に緊張感が無くなること、上司の指示に背き、自分の意見ばかりを主張するなどメリハリが無くなり、かえって生産性が落ちることも考えられます。
状況に応じて、役員や管理職が目的を履き違えることながないよう、指導が必要です。
風通しの良い職場を作る為の施策例
風通しの良い職場を作る為の施策例を紹介します。
フリーアドレス導入
フリーアドレス制度は、オフィス内の固定席を無くし、オフィス内の空いている席で業務を行う制度です。
日々、近くに座った人とコミュニケーションを取ることによって、多くの人とコミュニケーションを取ることができ、人間関係の固定化を防ぎます。
社内イベントの開催
社員総会や飲み会、運動会など、日々の業務から離れた場所で他のメンバーと会話することによって、仕事以外の知らない顔を知れたり、意外な共通点が見つかるなど、相互理解を深められる場になります。
Web社内報導入
Web社内報を通じて、従業員の相互理解が深まる内容について投稿すること、会社の思いや考えを発信することで、より会社のことや他の社員のことを知るきっかけになります。
他の社員とWeb社内報のネタをきっかけにコミュニケーションを取る機会にもなり、風通しの良さに繋がります。
ビジネスチャットの導入
ビジネスチャットは、メールや電話に比べてコミュニケーションを取るハードルが低くなり、コミュニケーションの量や頻度も増えます。
メールや電話の必要最低限のコミュニケーションから1対1での報連相はもちろん、グループ全体に向けての情報共有も増え、情報の流通量・投稿回数が増えることから風通しも良くなっていきます。
組織サーベイ・アンケートの実施
組織サーベイやアンケートを定期的に実施することによって、組織内の課題が可視化されます。
組織内の課題を解消することによって、コミュニケーションを阻害する要因も解消され、職場の風通しの良さにも繋がります。
サンクスカード活用
感謝されて嫌な思いをする人はいません。
また、返報性の法則により、良い行いをされた人は良い行いを返す習性があり、感謝を伝えることは職場内の人間関係を良くするサイクルに変えていきます。
Webのサンクスカードでは、いつでもどこでも感謝を伝えられ、その内容が従業員全員に開示されることによって、組織に対して良い影響が伝播していきます。
風通しの良い職場を作った企業事例
風通しの良い職場を作った企業の事例を紹介します。
日本マイクロソフトのフリーアドレス制度
日本マイクロソフト社では、社内のコミュニケーション活性化を目的にフリーアドレス制度を導入しました。
フリーアドレス制度では、固定席を無くし、オフィスをオープン化することで、部署をまたいだコミュニケーションが増え、結果的に社内の風通しの良さに繋がっています。
ヤフーの1on1ミーティング制度
ヤフー社では、定期的に部下の成長支援を目的に、上司と部下で打合せを行う制度を導入しています。
定期的な打合せを通じて、お互いの信頼関係が構築され、部下のモチベーションアップ、成長促進、コミュニケーションの活性化に繋がっています。
ヤクルトのジョブローテーション制度
ヤクルト社では、入社後10年間の間に、3つの部署を異動するジョブローテーション制度を導入しています。
様々な部署で業務を経験することによって、スキルを身に付け、経験を積んでもらうことや幅広い人間関係の構築に繋がります。
従業員にとっても自分の適性ややりたい仕事を把握でき、職務満足度が上がること、キャリアを思い描きやすくなるなどのメリットもあります。
日本トランスシティのサンクスカード活用
日本トランスシティ社では、組織における縦割り組織において、業務の報連相が上手くいっておらず、ミスが事後報告されるといった課題がありました。
そこでサンクスカードを導入し、日頃から感謝を気軽に送り合える仕組みを導入することによって、部門の役割や年齢をまたいだコミュニケーションが増え、結果的に風通しの良い職場作りに繋がっています。
風通しの良い職場を作り、業績や組織を良い方向に改善しましょう
今回は、風通しの良い職場の特徴や風通しの良さのメリット・デメリット、風通しの良い企業の事例について紹介しました。
風通しの良さは、従業員の生産性や定着率を上げる良い影響をもたらす一方、従業員が風通しの良さを履き違えてしまうと、逆効果になってしまう可能性があります。
風通しの良さを作りつつ、適切な組織運営ができるように人事や管理職は指導を行うことで、会社を良い方向に改善していきましょう。