相互理解とは?必要な理由、改善施策・ゲーム・ワークショップ例まとめ
自分が思っていること、考えてることをきちんと伝え、相手に何かしらの行動に移して欲しい場合には、相手がどういう価値観・考え方なのかを理解し、その人に合った話し方を行うことで、円滑にコミュニケーションが行えます。
どうように組織においては、従業員それぞれがお互いのことを理解・尊重し合うことによって、仕事が円滑に進んでいきます。
今回は、相互理解が必要な理由、不足する際に発生する問題、改善施策やゲーム・ワークショップなどについて紹介します。
組織における相互理解とは?
組織における相互理解とは、従業員1人1人が互いに異なる価値観や考え方、気持ちなどについて理解し合うことです。
仕事は、基本的に組織で行います。
組織の中でそれぞれの役割があり、上司が部下に指示を出したり、同じチームのメンバーと情報を交換・共有しながら進めていきますが、仕事を円滑に進めるためには、それぞれの人に合ったコミュニケーションを取ることが求められます。
その人に合ったコミュニケーションを取るためにも、相手がどういう考え方、価値観なのかを理解、尊重することが必要ですので、相互理解を深めることは仕事においても非常に重要視されています。
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組織内で相互理解が重要視される背景
組織内でなぜ相互理解が重要視されるのか、その背景や理由を紹介します。
働き方の変化・多様化
相互理科が重要視される理由の1つが、働き方の変化・多様化です。
近年では、リモートワークやテレワークなどの普及により、オフィスの中で仕事を行うという原則が変わってきました。
オフィスの中では気軽に話ができても、離れた場所にいる人とは気軽にコミュニケーションが取れません。
そういった場所の制約があっても、仕事を円滑に進めるためには、お互いのことを理解した方がコミュニケーションが取りやすいので、相互理解が重要視されています。
コミュニケーションツールの進化
近年では、電話やメールの他、社内コミュニケーションツールの普及で、コミュニケーションの取りやすさがどんどん下がっています。
そのため、対面で会話せずとも必要なコミュニケーションをチャットツールで完結させることもできるようになってきました。
しかし、会社の社風は、従業員のコミュニケーションによって醸成されるものであるため、必要最低限の会話しか行わないような組織になってしまうと、自社独自の社風がなくなってしまいます。
必要最低限のコミュニケーションでも仕事はこなせる時代だからこそ、相互理解に力を入れて社内コミュニケーションを活性化させたいという企業も少なくありません。
ハラスメント防止
セクシュアルハラスメントやパワーハラスメントは、相手の立場に立ってその人がどういう風に思うかを想像できないからこそ発生してしまう問題です。
お互いの価値観や考え方を理解・尊重していれば、相手が不快に思う言動は減らすことができ、企業としてもハラスメント発生のリスクを軽減できることもあり、相互理解に力を入れています。
従業員エンゲージメントの重要度向上
労働力人口の減少、転職活動の一般化により、企業は人材定着にますます力を入れています。
従業員エンゲージメント向上には、同僚や上司との人間関係を良好な状態に保つことが不可欠であるため、職場での人間関係の良好化を目的に、相互理解を深めることが重要視されています。
相互理解が不足する際に発生する問題
相互理解が不足することによって発生する問題例を紹介します。
仕事の指示が上手く伝わらない
上司と部下の相互理解が不足し、コミュニケーションが十分に取れていない場合、上司が指示したことを部下が正しく理解できておらず、思ったものと違う仕上がりになってしまうといったことが発生することが考えられます。
また上司と部下間だけでなく、チームのメンバー同士であっても同様のことが起こり得ます。
情報共有や伝達に時間がかかる
相互理解が不足している場合は、相手の立場に立ってコミュニケーションを取るのではなく、自分が話したいことを話してしまうため、共有したい内容が上手く伝わらなかったり、異なる解釈をされてしまう可能性もあります。
それぞれが何の業務を行っているかが不透明になる
相互理解が不足している組織では、仕事における必要最低限のコミュニケーションしか取らないため、雑談や仕事上の簡単な相談などもあまりありません。
それぞれが具体的にどのような業務を行っているのかを把握するのが難しく、誰に相談すべきかなども分からなくなってしまいます。
評価に対しての不満が増える
目標設定の段階で、期待することやどの程度の達成率であればどのような評価をするのかなどのコミュニケーションを取らなければ、人事評価に対してもなぜその評価なのかが分からず、評価に対して不満が発生します。
人事評価は特に目標設定時にあらゆる疑問を解消しておかなければ評価時に不満が出てきます。
部門を跨いでの協調が上手くいかない
部門やチームをまたいでの相互理解やコミュニケーションが不足している場合、依頼事項の対応の優先度を上げてもらえなかったり、そもそも必要性が分からずに放置されてしまうことも考えられます。
相互理解を深めるメリット
相互理解を深めることによって期待できるメリットや効果を紹介します。
組織内での情報共有、確認、相談がスムーズに行える
相互理解が深まり、職場内での人間関係が良好化すると、チームや組織内でのコミュニケーションの頻度や量が増え、情報の共有・確認・相談も気軽に行え、やり取りがスムーズに行えます。
チームでの生産性が向上する
相互理解が深まり、1対1でのコミュニケーションやチーム全体での議論などが円滑に進むことによって、職場内での根回しや社内向けの資料作成などの業務が軽減され、情報共有が早く行われて仕事もどんどん前に進められる事により、チーム全体の生産性が向上します。
トラブル発生率の低下、早期解決ができる
相互理解が深い状態であれば、何か懸念事項や不安なことをすぐに共有・相談できたり、トラブルも一早く報告できますが、そういった状態でなければ問題が大きくなってからでしか情報が共有されない可能性があるため、トラブル発生率の低下、早期解決にも繋がります。
心理的安全性が向上する
従業員それぞれの相互理解が深い会社であれば、上司部下や同僚同士での人間関係の問題も少なくなり、周囲を気にせずに発言や挑戦を行えるようになるなど、心理的安全性の向上も期待できます。
職場内で相互理解を深める施策
職場内で相互理解を深めるための施策を紹介します。
1on1ミーティング
1on1ミーティングは、定期的に実施する部下の成長を目的とした上司と部下2人で実施する打ち合わせのことです。
仕事において困っていることや将来のキャリアプランなど、部下のことを知ってサポート・アドバイスする時間ですので、双方の考えや価値観をよく理解できる時間になります。
交流会
ランチ会や業務終了後の飲み会など、オフィスの仕事以外の場所でコミュニケーションを取ることで、仕事以外のその人の情報を知る機会にもなります。
趣味や好きな芸能人、食べ物の話など、共通点が見つかったり、趣味嗜好が分かることによって、よりコミュニケーションが取りやすくなるメリットがあります。
ジョブローテーション
ジョブローテーションとは、定期的に部署や職種を変更することによって、様々な経験を通して成長を期待するとともに、組織の活性化を目的に実施される制度です。
ジョブローテーションを通じて、様々な部署との繋がりを持てるため、部署をまたいだコミュニケーションが必要な際に、円滑にコミュニケーションを取れます。
フリーアドレス
フリーアドレスは、社内での座席を固定席にせずに、自由席とすることで、気分や仕事内容などに合わせて自由に座席を決められる制度です。
フリーアドレスになることで、周囲に座る人が毎日変わり、普段会話できない人ともコミュニケーションを取るハードルが下がります。
社内報
社内報は、従業員や従業員の家族向けに経営方針や社内行事の案内、従業員の紹介を行うものです。
直接対面で会話せずとも、社内報のインタビューを通じて、他の従業員の考えや人となりを知ることができ、会話のきっかけにもなるため、相互理解を行う1歩目になります。
サンクスカード
サンクスカードは、従業員同士で感謝や賞賛の声掛けを行い合う仕組みです。
サンクスカードツールであれば、他の従業員のサンクスカードのやりとりが可視化されるため、他の人がどのような業務を行っているのか、良い行動を行っているのかを把握でき、相互理解の1歩目になります。
職場内で相互理解を深めるワークショップ・ゲーム
職場内で相互理解を深めるために実施できるワークショップやゲームを紹介します。
モチベーショングラフ
モチベーショングラフは、これまでの人生を振り返って、時間軸で自分のモチベーションの高低をグラフで記したものです。
モチベーションが高くなった時、低くなった時に何があったのかを共有し合うことで、その人の人となりやどういうことにモチベーションの変化が表れるのかを理解できます。
自分史
自分史は、自分の人生を振り返って、時系列でまとめたものです。
その中でも印象に残っているエピソードを紹介することで、その人がどういうルーツがある人なのか、どういう出来事を経験してきたのかを把握でき、その人の人となりをよく理解できる機会になります。
good&new
good&newは、チームメンバーの全員もしくは複数人が、24時間以内に合った「よかったこと(Good)」や「新しい発見(New)」について1分程度で話し、全員でそれに対して拍手をする取り組みです。
どういうことに良いと感じるのか、何の領域に対して興味関心を持っているのかを理解でき、毎日続けることによってお互いについて理解を深められます。
おすすめの相互理解を深めるコミュニケーションツール
相互理解を深めることに役立つコミュニケーションツールを紹介します。
LINE WORKS
LINE WORKSは、チャット機能はもちろん、メール、カレンダー、ファイル管理など、グループウェア機能も使えるビジネス版のLINEです。
タスク管理や社内メンバーと共有できるカレンダー機能を有しており、スマートフォンさえあれば、業務に関する情報共有やコミュニケーションが行え、従業員にも運用時の負担が少ないことが特徴のビジネスチャットツールです。
ourly
ourlyは、社内報の入稿・管理・分析を直観的に行えることが特徴のWeb社内報ツールです。
独自のCMSを活用しており、ブログを執筆するようなイメージで社内報を執筆できます。
また、記事の閲覧率や読了率、リアクション率など独自の分析画面で記事事、記事のジャンルごとの分析を行えます。
THANKS GIFT
THANKS GIFT(サンクスギフト)は、従業員同士で感謝や称賛を伝え合うサンクスカードのサービスです。
機能は、サンクスカードだけでなく、社内掲示板、社内チャット、景品交換機能、アンケートなど組織作りにおいて必要な機能が揃っています。
社内チャットで、グループ間で会話したり1対1でのやりとりも可能で、社内掲示板を活用すると全従業員に情報を発信することが可能なため、目的によって使い分けができます。
組織内で相互理解を深める仕組みを作り、コミュニケーションの課題を解消しよう
今回は、相互理解が必要な理由、不足する際に発生する問題、改善施策やゲーム・ワークショップなどについて紹介しました。
仕事を円滑に進めるためには、従業員それぞれの相互理解を深めることとコミュニケーションが取りやすくなるようなツール等の環境の整備の両方が重要です。
施策やワークショップ、ツールなどを上手く活用し、相互理解を深めて、仕事を行いやすくなるように取り組んではいかがでしょうか。