企業スローガンとは?目的や効果、代表的な事例8選
企業理念や会社の思いを凝縮したスローガンは、社内の従業員だけでなく、社外の一般消費者に企業の思いや理念を伝える大事な役割を果たすものです。
実際に多くの企業がテレビCMなどで使っているため、企業や商品と結びつけて覚えているスローガンも少なくないことと思います。
今回は、企業のスローガンの策定目的や効果、日本企業の事例などについて紹介します。
スローガンとは?
スローガンとは、企業理念やビジョン、活動を行う目的、価値観などを簡潔に分かりやすく表現した言葉です。
社内の従業員や外部の取引先、消費者などに影響を与える重要なものです。
スローガンの言葉は、スコットランド高地兵が火急の際に、招集を行うため戦場で唱えた「鬨(とき)の声(sluagh-ghairm)」から来ています。
スローガンは、会社が目指す方向性を指し示し、連帯感を強くすること、ブランドイメージを確立するといった目的で策定され、ロゴと合わせて記載する、CMでそのスローガンを読むといった形で活用されます。
企業がスローガンを策定する目的・効果
企業がスローガンを策定する目的や効果を紹介します。
1.会社の企業理念や事業内容、思いを分かりやすく伝える
企業スローガンは、簡潔に分かりやすく企業理念やビジョン、活動を行う目的、価値観などを表現した言葉です。
対外的なプロモーションの際に、その言葉を何度も使うことによって、一般消費者から企業や商品を認知してもらいやすくなること、その思いを伝えられるといった効果が考えられます。
そのため、ただ企業が伝えたいことをまとめるのではなく、受け手がどのような印象を抱くのか、記憶に残りやすいのかなどを元に策定する必要があります。
2.社内に向けて方向性や価値観を明示する
社内の従業員に向けて、日頃業務を行う中で、会社の方針や価値観を意識して活動してもらうことを目的にも活用されます。
会社がどういう価値観・方向性で事業を行っているのかが分かれば、従業員もその方向性・価値観を元に営業活動や販促活動、接客などを行えます。
スローガンを策定する際のポイント
スローガンを策定する際のポイントを紹介します。
スローガンを伝えたいターゲットを明確にする
スローガンを策定することによって、誰にどういった印象を持ってもらいたいのかをまず整理します。
一般消費者や取引先、自社の従業員などの関係者をイメージしながら、具体的に誰に伝えたいのかを明確にします。
スローガンで伝えたい内容を明確にする
スローガンを伝えたい相手が明確になった次は、伝えたい内容を明確にします。
企業理念やミッション・ビジョンなどと紐づけつつ、どういった印象を抱いてほしいのかを具体的に整理しながら、いくつかアイディアを出してみてください。
分かりやすい表現にする
スローガンを策定する際に重要なことは、その言葉を聞いて、内容をすぐ理解できることです。
難しい言葉を使っていたり、どういった意味なのか考えさせるような言葉であれば、対外的なスローガンの効果は小さくなってしまいます。
その言葉を聞いて、すぐに意味が理解できるかということがポイントです。
覚えやすい表現にする
スローガンを聞いて意味がすぐ分かるのと同時に、覚えやすいかというのも重要なポイントです。
一般消費者に意味を理解し、覚えてもらうためには、プロモーションで何度も活用することも大事ですが、語呂やどういうイントネーション・リズムで発音するのかも重要です。
特に一般消費者向けの商材・サービスを扱っている場合は、このスローガンを想起できるかで売れ行きなどにも影響を与えることが考えられます。
スローガンを社内に浸透させる際のポイント
スローガンを社内に浸透させる際のポイントを紹介します。
会社のロゴに組み込む
多くの企業が取り入れているように、企業ロゴの上部もしくは下部にスローガンを入れることも1つの方法です。
企業ロゴは、対外的な資料や備品などには基本的に入っており、名刺やメールなどでも目にする機会が多いため、社内への浸透には効果が大きいです。
オフィスへの掲示やWeb掲示板など目に入る場所に置いておく
オフィスやWeb掲示板など従業員が無意識に目にする場所に貼ることも、スローガンを浸透させる上では効果的です。
無意識であったとしても、何度も目にすれば、自然と記憶に残ります。
社内報を活用し、スローガンに絡めた企画を作る
社内報でスローガンに絡めた企画を作ることによって、実際にスローガンに沿った行動をしている内容について触れられ、従業員へのスローガンの内容の理解が進みます。
従業員インタビューなどでは、他の従業員が具体的にどういった考え方でどのような行動をしているのかが具体的に分かるため、他の従業員の参考になります。
CMや広告などプロモーションの際に活用する
社外への認知度を高めるCMや広告などのプロモーション活動においても、社内でそのコンテンツを制作する過程や社内で共有する中で、スローガンを目にするため、社内浸透に効果があると考えられます。
サンクスカードでスローガンのタグを用いる
サンクスカードの運用において、スローガンに関連したタグを用意しておき、そのタグをサンクスカードに付与することによって、スローガンを体現する業務への姿勢や取り組みに対して感謝や称賛を行え、社内への浸透を図れます。
名刺に記載して顧客や取引先との会話のきっかけにする
名刺にキャッチコピーを記載することで、顧客や取引先からキャッチコピーに対して言及があった際に、キャッチコピーの意味や思いについて従業員が語る機会が設けられ、従業員にキャッチコピーの内容や背景も合わせて浸透することが期待できます。
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日本企業のスローガン事例
日本企業のスローガンの事例を紹介します。
株式会社ロッテのスローガン
お口の恋人
「お口の恋人」というキャッチコピー・スローガンは、ザ・ドリフターズの仲本工事さんの実の母が応募して採用されたもので、世界中の人々から愛される会社でありたいという願いが込められています。
株式会社ファミリーマートのスローガン
あなたと、コンビに、ファミリーマート
「あなたと、コンビに、ファミリーマート」は、1989年に「便利(コンビニエンス)な存在であること」と「お客さまといっしょ(コンビに)」との想いから制定されています。
2017年には、このスローガンは、「音商標」として特許庁に登録されています。
株式会社リクルートのスローガン
まだ、ここにない、出会い。
「まだ、ここにない、出会い。」は、一人ひとりに、楽しい時間や仕事、新たな暮らし、人生にまつわるチャンスなど、まだ見ぬ可能性に出会う”機会”を届けたい。世の中には、見たことのない世界が広がっているから。という思いが込められて制定されています。
コスモ石油株式会社のスローガン
ココロも満タンに
「ココロも満タンに」は、「エネルギーの安定供給を基盤に、エネルギーを通してお客様が心豊かに、毎日の生活を送れること」がコスモ石油がお客様に提供することのできる価値であることを示した言葉で、お客さまひとりひとりにご満足いただける商品やサービスを提供できるように日々努力をしていくというコスモ石油の意思をお客様だけでなく社内に表明するためのメッセージスローガンです。
このスローガンは、コスモ石油がCM用として1997年にオリジナルで制作した90秒の楽曲の一部で、それ以来、テレビCMやラジオ広告で活用されています。
セイコーホールディングス株式会社のスローガン
時代とハートを動かす
「時代とハートを動かす」は、2014年に常に時代を牽引し、お客さまの心に響く存在でありたいという思いと、物質的な価値だけではなく、「遊び心」「ワクワク感」「ドキドキ感」といった精神的な価値も発信していくというグループの熱い意志が込められているスローガンです。
イメージソングも作られており、セイコー社員の公募で完成した歌詞と、グループCEO 服部が作曲したメロディーで構成されています。
サントリーホールディングス株式会社のスローガン
水と生きる
「水と生きる」は、自然と水の恵みに生かされる企業として、貴重な水資源を守ること。さまざまな企業活動を通じて社会に潤いをもたらし、社会にとっての水であること。社員一人ひとりが水のように自在にしなやかに挑戦できる会社であること。「人間の生命の輝き」をめざす想いを、「水」に 託して伝えているスローガンです。
企業理念を凝縮して作成されており、非常にシンプルで分かりやすいスローガンになっています。
スローガンを通して、企業理念や思いを社内外に浸透させよう
今回は、企業のスローガンの策定目的や効果、日本企業の事例などについて紹介しました。
スローガンは、短い言葉ではあるものの、企業のイメージや方向性を明示し、消費者の行動にも大きな影響を与えるものです。
また、ただスローガンを作っただけでは意味がなく、発信を続けることで効果が出てくるものです。
ぜひ、スローガンを通して社内の方向性を統一させるとともに、社外へのブランドイメージの確立等に活用してください。