ビジネスチャットの主な機能、無料版との違い、ツール比較まとめ
業務でコミュニケーションを取る際に欠かせないツールの1つとしてビジネスチャットツールがあります。
コミュニケーションのハードルが非常に低くなり、場所を選ばずにやりとりできることが魅力です。
ビジネスチャットでもツールごとに搭載されている機能が異なり、どのツールを利用すべきかは企業によって異なります。
今回は、ビジネスチャットツールの主な機能や有料版と無料版の違い、導入時の比較ポイントなどについて紹介します。
ビジネスチャットツールとは?
ビジネスチャットツールとは、ビジネスでの活用を目的とした、Web上でリアルタイムに会話ができるツールのことです。
チームや部署全体などのグループ単位でのメッセージのやりとりや1対1でのやりとりも可能で、離れた場所であっても気軽にコミュニケーションを取れます。
テキストでのやりとりの他、画像や動画、PDFファイルの投稿も可能であるため、メールで送っていた資料も全てチャットツールに置き換えられます。
ビジネスチャットツールによっては、スタンプでのリアクションも可能で、組織文化を醸成するきっかけ、土台になります。
ビジネスチャットツールの主な機能
ビジネスチャットツールの主な機能を紹介します。
グループチャット
部署やチームなど3名以上のグループで文字や画像、資料などのやりとりを行う機能です。
関係者全員に一斉に通知したいことがある際、チームメンバーへの共有も兼ねてやりとりをしたほうが良い内容の場合に活用します。
DM
特定の人と1対1で文字や画像、資料などのやりとりを行う機能です。
クローズドな内容であったり、当事者間のみ関係する内容についてやりとりする際に活用します。
通話
特定の人と通話する機能です。
ビジネスチャットツール次第で、この機能があるかどうか変わりますが、音声でのやりとりを行えます。
グループ通話
グループで音声通話をする機能です。
画面共有はできず、複数人であっても音声でやりとりを行えます。
タスク設定
自分もしくは第三者にタスクの設定を行えます。
タスクの内容、担当者、期日を入力するだけで、チャットツール上でタスク管理が行えます。
ファイル管理
画像やPDFファイル等の資料をチャットツール上で管理いただけます。
過去投稿したファイルも遡って確認できます。
スタンプ
グループチャットやDMの投稿に対してリアクションする機能です。
メッセージを確認したことに対するリアクションであったり、アンケートへの回答、投稿を盛り上げるなど様々な目的で活用できます。
社外ユーザー招待
社外のユーザーを特定のチャンネルに招待してやりとりできる機能です。
社外ユーザーとして設定しておくことで、特定のチャンネル以外は見れないようにしたり、閲覧範囲を制限することが可能になります。
ビジネスチャットツールを活用するメリット・効果
ビジネスチャットツールを活用することで期待できるメリット・効果を紹介します。
場所を問わずにコミュニケーションが取れる
ビジネスチャットであれば、スマートフォンからアクセスできるため、自分や相手がどこにいようといつでもコミュニケーションが取れます。
社内のwifi環境やLAN環境でなくとも、他のセキュリティ対策を講じることによって、セキュリティリスクも軽減できます。
コミュニケーションのハードルが下がる
ビジネスチャットツールは、メールのように冒頭の文章が必要なかったり、相手のメールアドレスを探す手間も必要ありません。
気軽にメッセージを送付できるため、これまで躊躇っていた内容についてもすぐにメッセージを送付できます。
スピード感のあるやりとりができる
メッセージ送付のハードルが低くなり、メッセージを送る際の文章を考える時間も短縮できるため、スピード感のあるやりとりを行えます。
自分宛てのメッセージが届くと、スマートフォンに通知が来るため、すぐに内容を確認できます。
スタンプなどでリアクションが取れる
ビジネスチャットであれば、スタンプでリアクションが取れるため、「メッセージ確認しました」だけのメッセージを送信する手間が省けたり、より相手に自分の感情を伝えることが可能です。
メッセージのやりとりも比較的柔らかくなり、より心理的にもコミュニケーションが取りやすくなります。
情報がアーカイブとして残る
ビジネスチャットでは、過去のメッセージやファイルのやりとりがログで残ります
ログはアーカイブされていくので、過去のメッセージを検索で探すことも可能です。
関連業務と連携し、業務を効率化できる
ビジネスチャットツールと関連ツールを連携させることで、ビジネスチャットツールに通知を集約したり、ログイン時にビジネスチャットのアカウントを用いてログインすることも可能です。
業務の自動化、効率化が行われ、生産性の向上が期待できます。
ビジネスチャットツール導入時に策定しておきたいルール
ビジネスチャットツール導入時に策定しておきたいルールを紹介します。
メッセージ送受信可能な時間を定める
ビジネスチャットは、気軽にメッセージを送ることができる反面、メッセージの受け手としては、業務時間終了後や休みにまでメッセージが届くと、疲労やストレスを感じる人もいます。
緊急な連絡を除いて、メッセージ送信可能な時間を定めておくとストレスを軽減した運用が行えます。
DMではなくグループチャットでのやりとりを原則とする
仕事はチームで進めていくため、チームに関係するやりとりは、当事者間のDMで済ませるのではなく、グループチャットでオープンにすることが望ましいです。
企業の考え方によりますが、原則オープンな場所でコミュニケーションを取るような運用にする方が、情報共有の面でメリットが大きいです。
登録ユーザー名を規則化する
ビジネスチャットで、特定の個人宛にメンションを付けて送付する際、個人によってユーザー名の登録の仕方がバラバラであれば複数人にメンションを付ける時に大変です。
ユーザー名は英語で、登録名を漢字やカタカナで登録するなどといったルールを定めると良いです。
冒頭の挨拶は省略する
ビジネスチャットのメリットは、コミュニケーションの取りやすさです。
それにも関わらず、冒頭の挨拶を入れるような運用をすると一気にコミュニケーションのハードルが高まります。
ビジネスチャットでは、メールのような冒頭の挨拶は無しの運用にすることがオススメです。
ビジネスチャットツール導入時の比較ポイント
ビジネスチャットツール導入時に比較検討したいポイントを紹介します。
導入要件を満たす機能の有無
ビジネスチャット導入において一番重要なポイントが、導入要件を満たす機能があるかどうかです。
チャット以外に通話やグループ通話は必要ないか、タスク管理や社外ユーザーの招待が必要無いかなど、まず自社がどういった機能が必要なのかを明確にした上で、ツールの絞り込みを行うことがオススメです。
従業員の使いやすさ
ビジネスチャットツールの運用を長く続けるためには、普段利用する従業員にとって使いやすいかが非常に重要です。
メッセージの確認方法、送信方法、スタンプやリアクションの有無、デザインなど、各ツールによって異なりますので、一度トライアルなどで従業員にも利用してもらい、使いやすさを確認してもらうことも効果的です。
管理者の管理のしやすさ
従業員の使いやすさと合わせて管理者の管理のしやすさも重要です。
従業員の退職や入社の際のアカウント設定、チャット全体の利用状況の確認、セキュリティ対策の設定など、管理者が管理をしにくい場合は負担が大きくなり、サービス継続が難しくなります。
関連サービスとの連携
ビジネスチャットツールは、業務の基幹となるツールであるため、普段利用している他のツールとの連携がどの程度できるかで生産性が変わります。
ビジネスチャットに通知を集約する、データ更新されたらbotがその内容を通知する、他サービスのログイン時にビジネスチャットのアカウントを通じてログインするなどができると生産性も上がります。
セキュリティ対策
業務に関する内容や従業員の情報、取引先の情報を扱うツールであるため、セキュリティ対策は確実に確認すべきポイントです。
ログイン方法、システムへのアクセス制限、外部からのアクセスの遮断などツールによって複数のセキュリティ対策を講じることもできるため、運用の手間と合わせて設定することがおすすめです。
料金・コスト
利用要件を満たし、候補となるツールを絞り込めたら、料金やコストを比較しましょう。
基本的にユーザー数×単価で費用を設定しているツールが多く、単価が各ツールで異なります。
従業員数が多い場合は、単価が多少違うだけでも総額が大きく異なることもありますので、事前にシュミレーションを行ってください。
ビジネスチャットツール無料版と有料版の違い
ビジネスチャットツールの中には一部無料で使えるツールもあります。
一般的に有料のビジネスチャットツールと無料版はどう違うのかを紹介します。
グループ数、ユーザー数
無料版のビジネスチャットツールでは、作成できるグループ数やログインできるユーザー数が限られている場合があります。
利用できる範囲内であれば、運用上そこまで問題はないかもしれませんが、今後組織の拡大を考えていたり、複数のグループ数が必要な場合は、途中で有料版に切り替える必要があります。
メッセージのログ保存数・期間
無料版のビジネスチャットツールでは、メッセージのログをアーカイブで残す際に保存数や期間が制限されています。
保存数や期間を超えた場合は、昔のやりとりは消えてしまいますので、注意が必要です。
データの保存容量
無料版のビジネスチャットツールでは、データの保存容量に制限が設けられていることが多いです。
画像やPDFファイルでのやりとりを行う場合は、過去のデータを削除しながら運用することが必要となる可能性があります。
セキュリティ対策
無料版のビジネスチャットツールでは、セキュリティ対策の機能が使えない場合が多いです。
チャットでのやりとりに顧客情報や重要なデータファイルを使う場合は、信用問題に関わりますので、有料版を使うことをおすすめします。
おすすめのビジネスチャットツール
おすすめのビジネスチャットツールを紹介します。
LINE WORKS
LINE WORKSは、チャット機能はもちろん、メール、カレンダー、ファイル管理など、グループウェア機能も使えるビジネス版のLINEです。
タスク管理や社内メンバーと共有できるカレンダー機能を有しており、スマートフォンさえあれば、業務に関する情報共有やコミュニケーションが行え、従業員にも運用時の負担が少ないことが特徴のビジネスチャットツールです。
WowTalk
WowTalkは、導入企業数が10,000社を超える国産のビジネスチャットツールです。
ビジネスチャットは、もちろんチャットボットの作成、サンクス機能、日報機能など主にメッセージやテキストを介したコミュニケーションを行うための機能が充実しています。
Chatwork
Chatworkは、国内利用者No.1の中小企業向けのビジネスチャットツールです。
メールでのやりとりよりもよりコミュニケーションが取りやすく、連絡の漏れを防げる他、システムが苦手な人であっても簡単に利用できることが特徴です。
関連サービスとの連携やセキュリティ対策に関する機能も充実しています。
Slack
Slackは、世界中で活用されるアメリカの企業が開発したビジネスチャットツールです。
チャットでのやりとりの他、1対1の通話、グループ通話なども行えるため、テキストや音声でやりとりを行えます。
外部ツールとの連携が充実しており、業務の効率化に大いに寄与するツールです。
ビジネスチャットツールを導入し、組織の生産性を大幅に上げよう
今回は、ビジネスチャットツールの主な機能や有料版と無料版の違い、導入時の比較ポイントなどについて紹介しました。
ビジネスチャットツールは、業務の基幹となるツールであるため、コミュニケーションのスピードが上がり、ハードルが低くなることで、業務の生産性も大きく上がります。
また、外部ツールとの連携を上手く活用することで、これまで行っていた業務も自動化・効率化できるため、まだビジネスチャットツールを導入していない企業はすぐに活用することをおすすめします。