エンパワーメントとは?メリットや高める方法、言葉の使い方を紹介
従業員が裁量を持って主体的に行動し、スピーディーに業務を進めるような組織作りを思い描いている経営者や人事の方は少なくないと思います。
こういった組織を作るにはエンパワーメントを高めることが必要です。
今回は、エンパワーメントの言葉の意味や使い方、メリット、高める方法などについて紹介します。
エンパワーメントとは?
エンパワーメントとは、従業員個人やチームがそれぞれの能力やスキルをいかんなく発揮できる、引き出す環境を整備することを指します。
抑圧されている環境では、自由度がなく、自分の意思で動くことができず、高いパフォーマンスを発揮することは難しいです。
エンパワーメントの言葉や概念は、もともと市民運動などの場面で使われていた言葉でしたが、現在は介護や福祉、教育、ビジネス活動などでも使われています。
エンパワーメントの使い方
エンパワーメントの言葉は、使用するシーンで意味や解釈が異なります。
それぞれのシーンでの解釈や使い方について紹介します。
ビジネスにおけるエンパワーメントの使い方
ビジネスにおけるエンパワーメントは、従業員やチームが能力やスキルを発揮できる、もしくは引き出す環境を整備する意味合いで使います。
風通しの良い職場を作って発言がしやすい雰囲気を醸成する、裁量を与えてより自由度高く動いてもらう、目標設定は従業員が考えたものをベースに設定するなど、従業員やチームの主体性や自由度などを向上させることでエンパワーメントを向上させます。
介護・看護におけるエンパワーメントの使い方
介護や看護におけるエンパワーメントは、病気の治療などにおいて患者の方に積極的に関わってもらうこと、自身でできる動作に関してはあえて介入せずに患者の方が自分でできるようにサポートするといった意味合いで使います。
福祉におけるエンパワーメントの使い方
福祉におけるエンパワーメントは、サービスを受ける側の障がいを持つ人や高齢者に自分で決断してもらうといった意味合いで使います。
また、障がいを持った方は社会的な抑圧があるのではないかと考えられていますが、そういった抑圧からも開放されて本来持っている能力や権限を発揮することが重要だと考えられています。
企業がエンパワーメントを取り入れるメリット
企業がエンパワーメントに取り組むことによるメリットを紹介します。
従業員が主体的に業務を行える
従業員に対して仕事における裁量や権限、風通しの良い環境が整えられることで、仕事において上司の指示待ちではなく、ある程度自分で考えて行動できたり、自分のアイディアを実行したりとより主体的に業務を行える幅が広がります。
意思決定や行動をスピーディに遂行できる
仕事を行うにあたって、必要な情報が開示されていること、自分の裁量権のある範囲であれば、自分の意思で意思決定や行動をすぐに行えます。
自分の権限と責任の中で仕事を自分のペースで進められることもメリットの1つです。
従業員の成長に繋がる
従業員の主体性が向上すること、スピーディーに行動できることによって、自分で考えて行動し、振り返る回数が増えるため、従業員の成長速度が上がります。
様々な挑戦を行うことでもちろん失敗することもあるかもしれませんが、その失敗を元に、戦略を考え直したり、施策の精度を上げるなど、より高いパフォーマンスが期待できます。
企業がエンパワーメントを取り入れるデメリット
企業がエンパワーメントを取り入れるデメリットとしては、下記のような内容が考えられます。
個人の方向性と会社の方向性にズレが発生する可能性がある
個人の主体性を尊重し、個人の判断で動くため、会社の考え方や方向性にズレが生じる可能性が高まります。
必要に応じて、どのラインまでは自分の判断で動いてよいか基準を設けるなど、個々人によって対応を変える、基準を明確にする必要があります。
能力を発揮できない従業員も出てくる
裁量や権限を与えられても、なかなか主体的に動けないという従業員も少なくありません。
上司からの指示を遂行したり、決まったタスクをこなすことが得意な人もいます。
たとえば、課長やリーダークラスの人以上に裁量や権限を与えるなど、組織の階層ごとに区分することも1つの方法です。
トラブル発生のリスクが高まる
従業員の主体性によって、判断や行動を委ねることは、間違った判断をしてしまう可能性もあるため、トラブル発生のリスクが高まります。
そのため、会社に与える影響などを元に、一定以上の基準を設けることや、定期的に状況を報告してもらうなど、運用を進める中で仕組みで解決することが必要です。
エンパワーメントを高める方法
エンパワーメントを高める方法として、下記のような内容があります。
従業員に必要な情報の開示
従業員が主体的に判断や行動を行うためには、判断をするために必要な情報が揃っている必要があります。
情報が不足している中では、適切な判断は行えません。
従業員それぞれに必要な情報を開示すること、情報にアクセスしやすい仕組みを作ることが重要です。
会社の目的やビジョン、行動指針の共有
会社と個人の方向性のズレが大きくなることを防ぐためには、会社が大事にしている考え方や目的、ビジョン、行動指針を社内に共有・浸透させることが効果的です。
会社が大事にしているものや進むべき方向性が明確になっていれば、従業員もその基準や方向性を考慮して判断できるため、大きなズレが発生しにくくなります。
従業員に合わせた裁量や権限の付与
従業員が主体的に動けるためには、裁量や権限を持ち合わせていることが必須です。
裁量がなくては、上司に確認を仰いだり、社内調整を行ったりする必要があり、主体的かつスピーディーに動けません。
従業員個々人の役割や能力、レイヤーに合わせて、裁量や権限を与えましょう。
従業員自身による目標設定や戦略の策定
従業員により主体的に行動してもらうためには、目標設定や戦略策定などの最初の部分からやってもらうことが効果的です。
与えられた目標よりも自分で設定した目標の方が、達成意欲が高まり、パフォーマンスの向上が期待できます。
状況に応じたフォロー
エンパワーメントは、従業員を放置して好き勝手に動いてもらうことではありません。
個人やチームの目標達成のために、適切な支援を行ったり、トラブルが発生した際は再発防止策を考えるなど、状況に応じた対応を行いましょう。
エンパワーメントを高めるツール・サービス
エンパワーメントを高めるツール・サービスを紹介します。
THANKS GIFT
THANKS GIFTは、従業員同士で感謝や称賛を伝え合うサンクスカードのサービスです。
THNAKS GIFTでのサンクスカードや社内チャットのやりとりの中で、会社の行動指針やビジョンに触れる機会があるため、会社の大事な考え方や推奨する行動が浸透します。
エンパワーメントにおいて重要な、会社の方向性の共有、風通しの良い職場作りに繋がります。
TUNAG
TUNAG(ツナグ)は、エンゲージメント向上を支援する様々な機能を有するオールインワンのサービスです。
サンクスカードや社内報、SNS、社内チャットなどの他のサービスも提供しているサービスの他、組織図、ワークフロー、タスク管理などの従業員も管理者にも喜ばれる機能を提供しています。
社内の情報共有や風通しの良い職場づくりに活用できます。
Goalous
Goalousは、OKRをベースにしたGKA(Goal-Key Result-Action)を用いて、目標に向かって実行する組織に導く目標管理ツールです。
目標や社内連絡、仕事の成果、日報を1つのツール内で管理し、目標の進捗度合いや業務を可視化します。
裁量や権限を付与した後も、ツール上で進捗や業務内容をリアルタイムに確認でき、必要に応じてフォローに入ることなどに活用できます。
ツールを活用してエンパワーメントを高めよう
今回は、エンパワーメントの言葉の意味や使い方、メリット、高める方法などについて紹介しました。
従業員がより主体的に行動することによって、ミスも増えるかもしれませんが、それ以上に業務遂行のスピードが上がったり、顧客満足度が向上するなど、様々なメリットが期待できます。
上手くツールを活用し、運用を工夫することで、エンパワーメントを高めてください。